
鮮魚とフルーツをアグロドルチェで楽しむ “大人”が集まる四の橋・南イタリア料理店

「まぐろのオイル漬け、いちぢくのマルメラータ」(1400円)。シェフが市場で買い付けたまぐろを自家製オイルに漬ける(左写真)
相変わらずイタリア料理店は元気がいい。とりわけ南イタリア料理をテーマとする店の増加は著しい。トマトソースをベースにオレンジの柑橘類やピスタチオなどのナッツ類をアクセントに使う料理が多い南イタリア料理は、日本人が抱く“イタリアらしさ”にあふれる。それが人気の理由だろう。
本格的な南イタリア料理店と言えば石川努シェフを忘れてはならない。東京・西麻布にあった「トラットリア・ベンズィーナ」から2000年に独立。外苑前「トンマジーノ」をオープンし、2006年に渋谷へ移転。「ドンチッチョ」に改名して以来、常に満席を続けている“奇跡の店”だ。この石川氏の元で修業したスタッフたちも次々に独立している。
四の橋に9月10日にオープンした「ロッツォ・シチリア」オーナーの阿部努氏とシェフの中村喜倫氏は「ベンズィーナ」修業時代からの仲間だ。当時から、いずれ二人で独立をしようと決めていたという。
阿部氏は北海道出身。地元の大学を卒業後、森永製菓に務めるも、大学時代のアルバイトで料理に興味を持ち、料理人になろうと決心。「ベンズィーナ」に入ったがサービス担当になった。
「3年頑張ったんですが厨房に入れず、いったん北海道に戻り料理を1年やりました」。石川シェフに請われて東京へ戻るが「ほかのシェフのレベルが高すぎて、料理人としてはとても通用しないことを実感しました」。一方、相棒の中村氏は順調に腕を磨き、シチリアで修業していた。
「ならば料理は中村に任せ、自分はサービスに徹しようと決めました。『ドンチッチョ』は料理はもちろん、スタッフが醸す楽しい空気が人気の理由。そこで過ごす時間にお金を惜しまない大人が常連さんでした」。
ロッツォ・シチリア
●東京都港区白金1-1-12内野マンション1F
●TEL:03-5447-1955 ●営業時間18:00 ~24:00L.O.、日休
「ロッツォ・シチリア」の目指すところも同じ。メインはマグロやアジなど新鮮な魚を季節のフルーツと合わせる“アグロドルチェ(甘酸っぱい)”な味の料理だ。屋台スナック・ひよこ豆のパネッレ(揚げ物)なども揚げたてで提供する。
ワインは阿部氏のセレクトでシチリア中心に40種。店内に並んだ自家製の果実酒も阿部氏の“武器”だ。常連へのサービスや不手際の対応に大活躍という。交通のアクセスはよくないが、飲んで食べて5000円前後と手ごろ。だからこそ“大人の客”が、ここにしかない時間を求めてやってくる。カウンター7席、テーブル16席はいつもにぎわっている。

犬養裕美子◎レストランジャーナリスト。イギリスのレストラン専門誌が主催する世界ランキング「the Worlds 50 Best Restaurants」の日本代表。2010年より農林水産省「料理マスターズ」審査委員。最新刊「レストランがなくなる日」(主婦の友新書)好評発売中。
(写真=前田宗晃)
- 九州のみで販売されていた米焼酎/壁にかける緑化インテリア(2012/04/23)
- ボリュームと利便性がカギ 17時まで提供のランチが人気(2012/04/20)
- スタッフが全員女性のデリカテッセン 田舎風パテなどを手軽にリーズナブルに楽しめる(2012/04/10)
- 電子マネーにも対応したレジスタ/必要な分だけ自然解凍で使える魚肉練り製品(2012/04/09)
- うどん店の強みを生かした 夜の居酒屋が連日盛況(2012/04/06)
- スタッフが全員女性のデリカテッセン 田舎風パテなどを手軽にリーズナブルに楽しめる (2012/04/10)
- 若い音楽家が料理をサービスし演奏もする 代官山にできた“ミュージック・フレンチ” (2012/03/13)
- 充実したメイン料理、パスタがハーフで頼め 一人でも気楽に入れる実力派フレンチイタリアン (2012/02/07)
- 鮮魚とフルーツをアグロドルチェで楽しむ “大人”が集まる四の橋・南イタリア料理店 (2012/01/17)
- 麹町「エリオ」が一番町に出した新店 カラブリア料理が、さらにお得に楽しめる (2011/12/06)












