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犬養裕美子の冒険するレストラン

充実したメイン料理、パスタがハーフで頼め 一人でも気楽に入れる実力派フレンチイタリアン

「ドゥエ・リーニュ」

2012年2月7日
「ドゥエ・リーニュ」

カウンター13席のみの店内(上)。下は人気のメイン料理「蝦夷鹿ランプのロースト グランブヌールソース」(2800円)。スパイシーなソースが肉の味を引き立てる

東京・四谷三丁目交差点から徒歩2分の場所に昨年10月29日オープンした「ドゥエ・リーニュ」。飲食店が立ち並ぶ荒木町ではなく、新宿通りを挟んだ目立たない場所にあるカウンターフレンチが、3カ月で順調に常連客をつかんでいる。

オーナーシェフの瀬野景介氏(31歳)は横浜のホテルでフレンチの道を歩み始め、1年間のフランス修業を経て帰国。パスタで定評のある幡ヶ谷「ディリット」に入店した。「料理のカテゴリーにこだわらず、自分がおいしいと思う料理を作りたい」という目標を立て、柔軟に学んできた。その店で出会ったサービスの宮部拓也氏(32歳)と今回一緒に独立した。

「ドゥエ・リーニュ」はカウンター13席のみというしつらえ。テーブル席を作るのに十分な12.5坪の広さだが、初めからカウンター席だけを考えていた。「端っこが落ち着くという人は多いでしょう。僕もそうです。だから端っこの席が多くなるように設計してもらいました」と瀬野シェフ。実際、一直線ではなく真ん中に切れ目があるカウンターが2つ、ずれて配置されている。幅を広く取り、テーブルと同じように3 ~5人で向き合って会話ができるコーナー席も作った。その結果、カウンター席も周囲のスペースもゆったりとして、居心地のいい空間になった。

メニューには食いしん坊を悩ませる料理が並ぶ。前菜は「豚足と豚耳入り自家製ソーセージの炭火焼」(600円)、「ゴルゴンゾーラのポム・ド・フィーヌ」(800円)、「カブと子羊のファルシ」(700円)といったラインアップ。きちんと手をかけた内容の料理が1000円以下で味わえる。

パスタは「穂先メンマのスパゲティアーリオ・オーリオ 山椒の香り」(1300円)、「渡り蟹と香菜のスパゲティトマトソース」(1400円)など、瀬野氏のオリジナルに加え、「ディリット」の名物でもある「サルディニア産からすみのスパゲティ」(1800円)もある。

「ドゥエ・リーニュ」

「ドゥエ・リーニュ」
東京都新宿区四谷3-4-2鳥重ビル102 TEL:03-6380-5867
営業時間18:00 ~翌1:00L.O.、不定休

メインは「蝦夷鹿ランプのロースト グランブヌールソース」(2800円)、「群馬県産 増田牛カイノミの炭火焼」(3000円)など、堂々たる内容だ。一皿が2人分あるので、ハーフポーション(=ハーフプライス)も可能だ。いろいろ食べたい一人客にもハーフオーダーはうれしい配慮だ。

作り置きのバル料理に飽きたが、フレンチレストランは堅苦しいし、お金もかかる。そんな人でも、ここなら前菜2 ~3種にメインとパスタをハーフで頼めば6000円前後で済む。使い勝手の良さに加えて、瀬野シェフら二人の誠実かつ軽快なもてなしも楽しめる。お笑いコンビさながらの、二人のかけあい。ぜひお試しあれ。

犬養裕美子

犬養裕美子(いぬかい・ゆみこ)レストランジャーナリスト。東京を中心に世界の食文化やレストランの最前線をレポート。農林水産省料理人顕彰制度「料理マスターズ」審査委員。飲食施設のアドバイスなども行う

(写真=前田宗晃)