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犬養裕美子の冒険するレストラン

銀座のリストランテが神楽坂に2店目 “違う店”で互いに刺激し合う

ristorante KURODINO 神楽坂

2014年12月9日
ristorante KURODINO 神楽坂

すべてのランチ(1950円から)に付く「野菜のヴァリエーション アンチョビ、ニンニク」。前田シェフが影響を受けた「ブルガリ イル・リストランテ」のルカ・ファンティンシェフやスペインの二ツ星「ムガリツ」の料理がヒントになっている

オーナーソムリエである黒田敬介氏が東京・銀座に「ristorante KURODINO(リストランテ クロディーノ)」をオープンしたのが2011年6月。東日本大震災の直後の厳しい状況ながら、24席の小さな店はイタリア料理とワイン好きの顧客に支えられ、じっくりと育った。

というのも、黒田氏は2010年に惜しまれつつ閉店したイタリアの名店「エノテカ・ピンキオーリ東京」のシェフ・ソムリエを開業から20年務めたベテラン。長年の顧客は、黒田氏の出店を待ちわびていた。「自分が今までやったことのないカジュアルな店にしたいと思っていたんですが、皿やグラス、選ぶものすべて、気が付くとピンキオーリと同じもの。やはり自分のスタイルは変えられないと思いました」(黒田氏)。

できあがった店はシックなリストランテだったが、値段は思い切って抑えた。昼は1950円から、夜は5850円コースから。かつての顧客がみな「安すぎる」と驚き、心配の声も出たが、その分、リピート客が増えた。また、若い女性客が増えたのもこの価格だからこそ。オープン1年後には満席が続くようになり、黒田氏は2店目を考え始めた。

その結果が、この物件。神楽坂のメーンストリートに立つビルの3階で50坪。入口は狭いが、店内には10人用個室もあり、ゆとりある造り。チェーン居酒屋が立ち並び、安さを競う環境の中で異色の店舗だ。

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