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犬養裕美子の冒険するレストラン

下町を出て都心で勝負する名店 進化し続ける焼き肉とは?

「炭火焼肉なかはら」

2015年2月10日
「炭火焼肉なかはら」

「幻のタン」(2200円)は前日までの予約のみ。舌元、舌先、ゲタ(舌元の裏)の違いを味わえる。ただし、入荷してない日もある

「都心からわざわざ車を飛ばしてでも行くべき店」とインターネットやガイド本などで高い評価を得てきたのが、東京・三ノ輪にあった焼肉店「炭火焼七厘」。その名店が2014年11月、東京・市ヶ谷にできた飲食店ビル「GEMS」の最上階に、「炭火焼肉なかはら」となって移転。12月には早くも売り上げが前年同期比で2倍を記録、毎日が予約で満席という好調な滑り出しを見せている。

「もともと移転を考えていたところにこの話を頂いて。『どうせ移転するなら東京のど真ん中で』と決めたんです」と、代表の中原健太郎氏。11年続いた「七厘」は妻の実家が始めた店。テレビ局に勤務していた中原代表は結婚後、店に入った。「それまで料理をしたこともなかったので、何もかも一から勉強しましたね」。素材の仕入れや提供の仕方など、中原代表は既成概念にとらわれることなく、思い切った“自己流”で今のスタイルを作り上げた。

「おまかせコース」(7000円前後、内容によって変動)は、異なった部位を7種、それぞれに適した形状と味つけで1枚ずつ出てくる。その1枚は、ほぼ1mmの厚さ。これはすべて中原代表が包丁でカットしている。手切りの技術も大したものだが、その前の下処理を見せてもらって驚いた。素人目には分からない筋や余分な脂肪を容赦なく切り落としていく。「口の中で筋が当たったり、脂が残ったりするようではダメ。こうして削っていくことで、初めてその肉の味が分かります」(中原代表)。

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