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犬養裕美子の冒険するレストラン

老舗リストランテがいつまでも若々しい秘密

「リストランテ山﨑」

2015年5月19日

「リストランテ山﨑」がオープンしたのは1986年。オーナーの山﨑順子氏は飲食にまったく素人だったが、接客や料理の方向性など自身のスタイルを確立。日高良実シェフや濱﨑龍一シェフなど人気料理人を育ててきた、来年30周年となる老舗だ。その名店が今年、6代目の矢島直樹シェフを迎えた。

新シェフ就任とともに、体制も変化。山﨑氏の右腕であるサービスの太田貴之氏が経営面も任され、名実ともに「ディレットーレ(支配人)」に。太田氏は21歳の時、「山﨑」に入店。23歳でソムリエの資格を取り、その後「山﨑」のサロンを任される。

山﨑氏はどんな風にサービスのノウハウを教えていたのだろう。「いわゆるマニュアルがあるわけではなく、『ココロでサービスしろ』ということをさりげなく見せる感じです。ただ、『お客様の前で3分以上、お話ししてはいけない』と、よく言われました」と太田氏は話す。

カップルやビジネスで来ているお客様の邪魔になってはいけない。「『サービスは黒子』とも教えられました」(太田氏)。ふるまいや料理の勉強は、「超一流の店に行くべき」と指導を受けた。「だから給料はほとんど消えていきました。でも、今の自分にとって本当の意味での財産になりましたね」と太田氏は感謝の意を示す。名だたるレストランを知ったことで、お客との会話も弾む。それは太田氏ならではの武器になっている。そもそも「山﨑」のお客は、そのレベルが常連客なのだから。

「リストランテ山﨑」

支配人の太田貴之氏はコレクションしている食後酒を「ゆったりと過ごしていただきたい」と、さりげなく薦めている

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