飲食店で働きながら独立を狙うには(1)

飲食店開業を目指すときの注意点

飲食店で働く従業員の中には「独立したい」「自分の店を持ちたい」と思っている人がかなりいらっしゃると思っています。

だけど、何を勉強してどんな準備をすればいいの?そう思っている方も非常に多いでしょう。

私が経験した中小の飲食店チェーン・個人オーナー支援の中から、飲食店の独立開業で成功するために働きながら学ぶべきことを数回に分けてお伝えいたします。

今回は料理人(厨房スタッフ)についてです。厨房スタッフが料理人として独立を目指す場合、当然ながらまずは料理技術を身につけなくてはいけません。将来、何の料理店を出店したいのか。独立したら自分が長になるわけですから、まずは料理技術をしっかり身につけることです。

独立を目指す人には2つのタイプがいます。1つ目は自分の料理技術を自信がつくまで修行し、独自のメニュー開発ができるようになってから独立する人。2つ目は職場環境の不一致や現実逃避型で、自分で飲食店を開業したほうが好きにできると思って独立する人。

当然ながら後者の考えでは成功は難しいです。料理人が独立する以上、料理理論・技術はしっかり身につけないといけません。しかし、それだけでもダメです。

食材の選別能力、仕入れ業者との交渉力などが必要となります。まず、食材に対する目利きができなければ、その時点で、ライバルに大きく遅れを取ります。見たり触ることで、良い食材・悪い食材を見抜くスキルを学ぶことです。

次に食材の価格に敏感になること。肉・魚・野菜などその日の収穫や品質によって価格が変動します。特に野菜は、どの業態でも使用するはずです。「この食材がこの品質なら、このくらいの価格が妥当」という相場観を持つようにしてください。その訓練には仕入れの記録や棚卸表を見て、毎月末に野菜の仕入れ価格の平均値を月別に記入する表を作ると良いでしょう。季節や収穫状況が値段に反映されているのが良く分かります。

最後に仕入れ業者との交渉です。仕入れ業者が市場で買いつけに行ってその商品が物流便(自社トラック等)で店舗まで届きます。その業者に、どのような商品が欲しいかをきちんと伝えなければなりません。例えばトマトならきれいな丸い形をしたトマトがいいのか。味が良ければ多少変形していてもいいのか。まるごとトマトを提供するから、見栄えがきれいなものを求めているのか。イタリアンなどではコンカッセにするので、形は多少悪くても美味しければ大丈夫ではという場合もあります。

トマトを切って提供するなら多少形が悪くても美味しいトマトのほうを選びます。価格が安いからです。自分が欲しい食材の条件を伝え、納得できる価格・品質の食材を確保するには、仕入れ業者との交渉に慣れることが重要です。

さらに仕入れ業者から情報を仕入れることも大切です。料理人は厨房の内側にいる時間がほとんど。それに比べると仕入れ業者は外の情報をたくさん持っています。今、何が人気でどんなお店が流行っているか。当然、食材の情報も多く持っていますから、仕入れ業者と信頼関係を築き、店で役立つ情報を得られるようになることも大切な独立への準備なのです。

飲食店を営んでいる私のお客様で、面白い例え話をしている方がいました。「雇われている人は、自由がないけど毎月給料がもらえる。ライオンで例えると動物園にいるライオンと一緒だ。狭いオリの中で、自由がないけど餌はもらえる。独立している人は自由にできるけど保障がない。サバンナにいる野生のライオンと一緒だ。自由に動けるけど狩りができないと、飢え死にしてしまう」。

  

2007年9月20日|Posted by 小島 由光

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