造り手の想いが飲食店の従業員に伝わるとお客さまへのサービスが変わる
お酒を提供する飲食店において、未だに人気のある芋焼酎。4~5年前から芋焼酎ブームと言われはじめ、最近では梅酒ブーム到来とも言われていますが、芋焼酎の人気はまだまだ高いですね。銘柄だけでも相当あり、人気の高い銘柄は1本数万円の値がついているものもあります。
今回機会があり鹿児島の焼酎蔵元を訪ねることができました。その中でもお薦めのこだわりの蔵元をご紹介します。鹿児島は空港からさほど距離はない鹿児島県姶良郡というところにある白金酒造です。
鹿児島の繁華街、天文館周辺で地元素材にこだわった料理店を経営し、大変お世話になっている「牡丹」というお店の高岡社長のご紹介で、白金酒造を知ることができました。同社が製造している芋焼酎「石蔵」という手造りの芋焼酎が非常に美味しいとのことで、そのこだわりを教えていただけることになったのです。私も「石蔵」をいただきましたが、芋の風味がまろやかでありながらしっかりとした味わいで非常においしい芋焼酎です。
白金酒造は、創業明治2年という歴史のある蔵元です。そのこだわりは、原料の芋から始まります。地元産のサツマイモは全て手作業で手間をかけて「磨き芋」にします。「磨き芋」とは、芋の皮をむいたあとに焼酎の苦味の原因となるヘタや傷んだ箇所を徹底的に取り除きます。人手をかけて丁寧に処理された芋のことを「磨き芋」というそうです。水は「白銀の名水」と呼ばれる水です。原料と環境は良い商品づくりに必要だとあらためて思いました。
そして、この蔵元の最大のこだわりは手造りです。「米蒸し」から「製麹」「一次仕込み」「芋剥ぎ」「二次仕込み」と全て手造りで行われています。最後の蒸留ですが、木樽の蒸留器を使用しています。木樽の蒸留器はその耐久性も5年と短く、木樽での蒸留器はあまり見かけないと聞きます。おいしい焼酎を求め、「量はたくさん造れなくてもいい、手間ひまかけておいしい焼酎を造る」手造りにこだわった。その芋焼酎が「石蔵」でした。
蔵元の想い、杜氏さんの職人技とこだわりを非常に感じました。だけど、この商品も蔵元の造り手が直接、お客さんに販売するのではなく、お店の従業員がお客さんにお伝えして販売するのが一般的です。
焼酎に限らず飲食店で扱うものは、その作り手が本当にこだわったものであっても、お店の従業員に知識がなければこだわりを伝えることができません。商品が並んでいても、その商品は話してくれません。やはり従業員のサービスがあって、そのこだわりがお客さんに伝わるのです。
飲食店の従業員にとって、原点を勉強することは非常に大切なことです。焼酎に限らず、食材全てに共通することだと思います。原点を知るということで、お客さんへのサービスが変わります。
食品偽装や不信感が強くなった食品業界において、素材の原点とこだわりをお客さんも知りたがっています。今後、造り手の想いまでお客さんに伝えようと飲食店は増えていくここと思います。
飲食店に携わっている方でしたら、身近なところからで良いので、作り手を訪ね、そのこだわりを学ぶことをお薦めいたします。本当に良い勉強になりますよ。
2008年9月3日|Posted by 小島 由光
あなたのご意見をお聞かせください
「お名前」(ニックネームでも構いません)、「メールアドレス」、「コメント」は必須入力項目です。「お名前」と「コメント」は、原則としてそのまま日経レストラン ONLINEに掲載いたします。「メールアドレス」は公開しませんが、編集部から連絡を差し上げる必要が生じた際のために、必須入力項目としております。なお、日経BP社は、読者の皆様からの投稿の内容につきまして、その信頼性、適法性などを一切保証せず、何らかのトラブルが発生した場合でも一切責任を負いません。皆様の自己責任においてご利用願います。なお、サーバーのメンテナンスの都合により、掲載コメントは翌年末に削除させていただきます。その他、投稿に関する諸注意はこちらをご覧ください。










