時代を越えたおもてなし文化の新しい形が、ここにある
京都に来ている。今回からしばらくの間、この京都からブログを書いていく。

海が無い京都の町家の瓦の波を照らす灯台をイメージして建てられた。近くに東本願寺があることから「お東さんのローソク」とも呼ばれている
何故、京都なのか。以前にもこのブログで触れたが、日本の漫画やアニメが世界に認められているのと同様に、日本の飲食業界も潜在的パワーを持っていると私は思っている。 その事を考察する上で、古都京都は欠かせないと思えたからだ。
今年からの試みとして「京の七夕」が開催されているそうである。竹と光をテーマにしたライトアップで、京都の夜を華やかに演出している。訪れたのは昼間だったので、あいにく観ることはできなかったのだが、夜の川面で行われる友禅流しや灯篭流しは幻想的な雰囲気を醸し出しているらしい。伝統的な文化を尊重しながらも、絶えず新しい風を取り入れようとする洒落た風潮が、ここにはあるのだろう。
京都に来たからにはまず立ち寄りたい場所があるので、とりあえずタクシーを拾う。
「おっ!ヤサカタクシーだ。」しかし、残念ながら今回は三ツ葉のクローバーだ。残念ながらと書いたのは、ご承知の方も多いとは思うが、このタクシー会社のマークは基本的に三ツ葉のクローバーなのだが、ごくまれに四ツ葉のクローバーのマークにした営業車がある。
運転手さんに尋ねると、グループ全体の営業車約1500台のうち、四ツ葉のクローバーのついた営業車は4台だけだそうである。乗らなくても、路上で見かけただけでも写真を撮る観光客がいるくらい、ラッキーな事なのである。
ヤサカタクシーで、八坂(やさか)神社の南に位置する京都東山霊山(りょうぜん)に着く。ここには明治維新史跡、坂本竜馬と中岡慎太郎の御墓がある。さすがに大河ドラマの影響もあって、私が訪れた時もひっきりなしに観光客がやってきていたが、他にも幕末の志士から、木戸孝允(桂小五郎)等の明治の重鎮、太平洋戦争当時の陸軍にかけて活躍した人たちも多く眠っている場所なのだ。平成の日本を彼らはこの場所から眺めて、何を思っているのだろうか?しばし御霊に合掌する。

坂本龍馬と中岡慎太郎の銅像

龍馬の墓前から眺める平成時代の京の街
この辺りを歩いて回るとあちらこちらに歴史の題材があふれているので、日本史好きの私には話が尽きないのだが…。しかし、このブログは若手飲食人列伝というテーマに基づいて書いているので、話を本題に戻そう。京都という場所から考えを深めて行くのだが、ここで、ある企業にスポットを当てて先に触れたテーマについて考えて行こう。
それはこれだ。
「あぶらとり紙」として既にご存知の方も多いと思う。
よーじやは、明治37年8月に創業した。この企業は当時、「楊枝(ようじ)」と呼ばれ歯ブラシを売っていたそうである。「楊枝」が親しまれていたことから、のちに屋号を「よーじや」に変更したそうである。また、おなじみの「あぶらとり紙」の誕生は大正時代にさかのぼり、主に映画関係者や花街の女性たちの間で評判を呼んでいたそうである。
その後、平成13年に基礎化粧品の販売を開始し、平成15年より飲食事業にも参入。「よーじやカフェ」を皮切りに様々な業種・業態を開発している。

おなじみのよーじやのロゴが入ったカフェ
そのお店の中で今回は、麩屋町二条の閑静な住宅街に佇むスウィーツのお店『パティスリーココフ』を訪問することにした。
何故、一番最初にこのお店なのか、それは私が甘いモノが大好きだからだ。スタッフは四人、全員でアイデアを出し合って商品開発に励んでいる。
作品帳を見せてもらった。
お店で食べられるのは勿論、誕生日ケーキやウェディングケーキ等の注文が入ればアニメのキャラクターなど、お客様の要望に応じてオリジナルケーキを作ってくれる。ここでは、同時にグループ店の「よーじやカフェ」の商品開発も行われている。よーじやモナカもその一つだ。
このお店を任されているのは、店長の山口薫さん。以前は、お漬物の販売員をしていた山口さんは、よーじやカフェにアルバイトとして入ったそうであるが、「ケーキ作りをしたい、パテシエになりたい。」と自分の夢を上司に言い続けていたらチャンスが巡ってきましたと、語ってくれた。

照れ笑いを浮かべる 店長の山口薫さん

「よーじや製もなか」の試作もこの店で行われた
「どうぞ上がっておくれやす、まあぶぶ漬けでもどうどす・・・」
京都には独自のおもてなし文化がある。歴史的な背景に裏付けされながらも、現代的な感覚を巧みに取り入れたその文化は、今もなお、訪れた人々を楽しませてくれる。
いにしえの風情を残す維新時代のタクシーとでも言うべき人力車に揺られながら、京の街と、よーじやを巡る旅はまだまだ続く…。
2010年9月2日|Posted by 力彩 宮島
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