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編集部のマルチスコープ

「政情不安」のタイ進出はリスクかチャンスか

ご愛読ありがとうございます。日経レストラン編集長の戸田顕司です。

「日経レストラン」は4月号から、「飲食ビジネスを勝ち抜く繁盛店経営誌」として誌面刷新しました。「激戦区話題店」をはじめとするケーススタディーを拡充し、「先駆者に学ぶ海外進出のツボ」といった海外情報を新設、「人材育成の仕組み作り」など実践に役立つ講座の強化を図り、12の新連載を立ち上げました。既存コラムも、もちろん、さらに充実させていきます。また、見出しや本文に使う文字も見直し、解説図を多用して、より読みやすく理解しやすい誌面としました。

さて、新連載の1つである「先駆者に学ぶ海外進出のツボ」では、沖縄県に本社を持つ「みたのクリエイト」がタイ・バンコクに出店した居酒屋「産地直送仲買人 目利きの銀次 バンコク本舗」を取り上げました。

連日のように政情不安が報道されるタイでのビジネスは大丈夫なのだろうか――。こう思われる飲食店経営者の方は少なくないでしょう。

ただ実際は、デモの現場と店舗の場所が離れていること、観光客ではなく現地の富裕層が対象だったことで、大きな影響を受けることなく、営業できているといいます。

同じような話を中国・上海でも聞きました。今から1年半ほど前、2012年9月に大きな反日デモがあり、駐在していた日本人が引き上げるという出来事があったことを覚えている人は多いでしょう。

その真っ最中に、中国の不動産業者と物件契約した飲食店経営者がいます。毎月第1土曜日は飲食代の半額を金券として渡すといったユニークな割引サービスを導入している東京・神楽坂の和食店「江戸前炭火焼 kemuri」のオーナー、岡田博紀氏です。現在、神楽坂店に加え、上海で「江戸前炉端焼 kemuri 上海虹橋(ホンチャオ)店」を率いています。

こうしたエピソードが示すように、「政情不安だからビジネスにならない」と一概に決め付ける必要はなさそうです。言うまでもなく、無理にリスクを背負う必要はありません。しかし、1歩踏み出さなければ、チャンスをつかめないのも事実です。他社がためらっていれば、その分、先行者として優位性が高まります。

「先駆者に学ぶ海外進出のツボ」では、地に足をつけて現地で営業している飲食店だからこそ分かる、テレビや新聞ではあまり報じられない“海外の息吹”も伝えていきたいと考えています。お楽しみに!

2014年4月3日|Posted by 日経レストラン編集