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編集部のマルチスコープ

「日本酒×ジビエ」など、日本酒生かす新業態

こんにちは。日経レストラン編集部の宮坂賢一です。

どこの繁華街でも気軽なスタイルでワインを楽しめるバル業態の店がすっかり一般化しました。

そうした中、バルブームの次を探ろうとする店がいくつも登場しています。最近は「和」の要素で新しさを出している店が増えているようです。

先日、東京・新橋で3月にオープンした「焼きジビエ罠 炭打 新橋」に立ち寄ってみました。その名の通り、鹿やイノシシ、キジ、時には熊といった肉の炭火焼きが楽しめる店です。古民家を再生したビストロなどが人気を集める夢屋(東京・渋谷)が神田で運営する業態の新店ですが、テーブルの七輪で焼き肉を楽しむ既存店とはスタイルが異なります。

白木のカウンターに座ると目の前には木製の台が置かれ、スタッフが焼き加減を調整して切り分けた肉がその台の上に提供されます。にんにくしょうゆ、山ワサビ、塩など肉に合う調味料も薦めてくれるため、私のようなジビエ初心者でも無理なくさまざまな肉を楽しむことができます。白木のカウンターで日本酒や焼酎とともにこうした肉をつまんでいると、割烹のような気分も味わえました。

4月30日には東京・池袋に「ジビエとくずし野菜割烹 和ガリコ 寅」がオープンしています。同じ池袋でアジア料理の人気店「アガリコ」を運営するBig Belly(東京・豊島)のグループ店で、和食の経験を持つ杉山亮氏が店長を務めています。やはり店内には白木のカウンターがあり、トリュフを散らした釜玉うどんなど、工夫をこらした“和食”メニューがそろいます。こうしたメニューに合わせ、ドリンクはシャンパン気分で楽しめる「スパークリング日本酒」が何種類もあります。

どちらの店も開業したばかりですが、和食とバルやビストロの優れたところをうまく取り込んだ店づくりをしています。

大手外食チェーンが展開する総合居酒屋のお客離れが言われていますが、フットワークの軽い「専門店型」の中堅飲食店グループは「日本酒」「ジビエ」など注目のキーワードをうまく消化した新業態を次々に生み出しています。既存店の丁寧なウオッチと知恵を組み合わせれば、バルブームを通過して美食志向が強まったお客をまだまだ呼び寄せることができる。これらの店にはそんな力強さを感じました。

さて、お客を呼び寄せる知恵は業態やメニューの開発だけではありません。お客の気持ちをくみ取り、気持ちよく料理やドリンクを楽しんでもらう接客の工夫も重要になります。日経レストランでは「お客が感動しファンになる『接客・接遇の達人』養成講座」を6月24日に開きます。会場は東京・大手町です。お客を「おもてなし」するための考え方と実際の接客技術の両方を一挙に学べる充実した内容を予定しています。ぜひご活用ください。

2014年5月15日|Posted by 日経レストラン編集