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編集部のマルチスコープ

海外視察を店に生かせるオーナーの視点

こんにちは。日経レストラン編集部の宮坂賢一です。

飲食店経営者が人気店の海外視察に出かけるという話を伺うことが増えました。

インターネットなどを通じて海外の店に関する情報が日本でも簡単に得られるようになり、短期でも効率よく繁盛店を巡ることができるようになりました。そこで、オーナー自ら各地を訪れて運営する店の料理などに磨きをかけているのです。

海外進出をした飲食店が増え、現地の日本人スタッフが近くの繁盛店を気軽に視察できるようになったことも、最新メニューの導入を加速させています。

その一方で、各店が海外の最新メニューを取り入れるサイクルが早まった分、料理の目新しさだけでは今まで以上に早く消費されてしまう面がありそうです。

本誌連載でおなじみ、楽コーポレーションの宇野隆史社長は居酒屋の経営について、よくこんな話をされています。

「コロッケとか餃子とか、グルメ誌に定期的に取り上げられる定番メニューがある。こういう基本中の基本となるメニューをしっかり押さえることが店を強くする」

他店で食べたおしゃれな料理をすぐ取り入れようとする若いスタッフも時々いるそうですが、宇野社長は「どこかでちょっと食べただけの料理をパッと出すだけでは、店としての芯がぶれてしまう」と指摘し、それよりも基本メニューを見直すように指導するそうです。

海外で学んだ料理を取り入れるときも宇野社長の指摘と同じことが言えるのではないでしょうか。

海外で学んだ料理を単純にまねるだけでは、お客はすぐに離れてしまいます。新しいメニューに引かれて集まった新規のお客に他のメニューや接客で「この店は安心できる店だ」という印象を与えて定着してもらうことが必要です。

海外視察の際には、新規メニューの開発だけでなく、これまでの接客や定番メニューの改良にも役立てられないかという地に足の付いた視点も重要ではないでしょうか。

2014年7月10日|Posted by 日経レストラン編集