「日経レストランONLINE」は、「日経レストラン」の休刊に伴い、3月末日をもって更新を休止することになりました。長らくご支援を賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。

編集部のマルチスコープ

産地直送のルートを開拓するヒントは足元にある

こんにちは。日経レストラン編集部の宮坂賢一です。

今月も、本誌の取材で、お客でにぎわう飲食店をいくつか訪れました。

ある店で撮影に使用した料理を試食したときのこと。肉料理の付け合わせになっていた焼き野菜を一口かじり、その甘味に驚きました。

思わずスタッフに「この野菜はどこから仕入れているのですか」と尋ねました。

返ってきたのは「店長のお母さんが埼玉の農家で、野菜を直送してもらっているんです」という答。「なるほど」と納得するとともに、以前取材した居酒屋でも同じような取り組みをしていたことを思い出しました。こちらは店長の実家が栽培している様々な珍しい野菜を仕入れて『生野菜の盛り合わせ』として人気メニューに育てていました。

「六次産業化」というキーワードに注目が集まっていますが、食材産地の農家と直接連携して独自の仕入れルートを開拓するという取り組みは、関係を維持するために一定量以上の食材を継続的に注文する必要があるなど、個人店にはハードルが高い面があります。

しかし、前出の店のように、スタッフの家族などから仕入れるのであれば、発注量が少なくてもそれほど問題ではありません。「朝取り野菜で作ったシャキシャキサラダ」などのようなメニューならば、使用する野菜の一部は日替わりでも大丈夫。むしろお客が毎日変わる野菜の意外性を楽しんでくれるはずです。しかも、接客をしながら「店長の実家で今朝取れた野菜ですから、新鮮です」と説明すれば商品に説得力が増します。

あなたの店でもスタッフに聞いてみると、その親族など産直食材の仕入れルートが見つかるかもしれません。一部でも産地直送の食材をそろえれば、食材選びに熱心な店としてお客の心象はぐっとアップします。特定の地域だけで生産される野菜などが仕入れられれば、近隣の競合店ではまねにくい独自の強みになるはずです。

2014年9月11日|Posted by 日経レストラン編集