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編集部のマルチスコープ

「寅゛衛門」グループの新たな挑戦

こんにちは。日経レストラン編集部の宮坂賢一です。

業界関係者が相次いで視察に訪れる店の一つに、東京・渋谷のイタリアンバル「渋谷道玄坂DRAEMON(ドラエモン)」があります。同店を運営するDREAM ON COMPANY(旧・ジャパン興業)は愛知県一宮市を中心に居酒屋「いなせ 寅゛衛門(どらえもん)」やバルの「HANADORA」など様々な業態をドミナント展開。約2年前に開いた東京進出第1号が渋谷の同店でした。

同社は10月8日、東京での新展開として、イタリアンレストラン「Reggiano(レッジャーノ)」とカフェ「Espresso D Works(エスプレッソ・ディー・ワークス)」の2店を恵比寿で同時オープンしました(関連記事)。

この新店の取材で、赤塚元気社長のお話を伺っていたところ、思わず耳を疑う言葉が飛び込んできました。

「この店から、朝礼をなくしたんです」――。

始業前に精一杯大きな声で挨拶し、経営理念などをスタッフ全員で唱和。多くの飲食店がスタッフのモチベーション向上のために実施しているこうした「朝礼」は、同社がモデルの一つとも言われています。それだけに、赤塚社長の言葉は驚きでした。

赤塚社長は、今回の新店でレストランやカフェの新しい姿を打ち出したいと意気込んでいます。そうした新しい姿を作るためには、時代の変化に合わせて会社自体も変わらなくてはならない。そうした変化に対応する挑戦の一つが「朝礼の見直し」だというのです。

赤塚社長は転換の理由をこう話します。

「今は従来の『朝礼』のようなやり方に逆風が吹き始めています。今までのやり方に最近の若いスタッフが抵抗を感じているとしたら、今後は抵抗感がもっと強まるでしょう。若い人たちがうちで働くことに抵抗を感じ、店を支える優秀なスタッフが集まらないのでは、マイナスのほうが大きいと考えるようになったんです。他の教育研修などを通じて、笑顔で明るい接客という本質が維持できるとしたら、従来の朝礼という形に固執する必要はないですよね。それで1年以上、迷いに迷ったけれど、うちの代名詞だった朝礼をやらないことにしたんです」

大きな声を出して士気を高める代わりに、営業前のミーティングが済んだ後にはスタッフ同士で簡単なゲームなどをして、同社の特徴である笑顔の明るい接客を維持する方針。みんなが楽しく笑い合えば、気持ちは高まり、店の仕事に向かう意識も向上するそうです。

赤塚社長が東京・恵比寿で立ち上げた新店は、その営業内容だけでなく、スタッフ教育のあり方という面でも、注目の店となりそうです。

2014年10月9日|Posted by 日経レストラン編集