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編集部のマルチスコープ

商品価格が安い理由をきちんと説明できますか?

こんにちは。日経レストラン編集部の太田憲一郎です。

日本マクドナルドホールディングスが不振に喘いでいます。今年8月の既存店売上高が、前年同月比で25.1%落ち込み、9月も前年比で16.6%のマイナスでした。同社が中国の食肉加工会社から使用期限切れの鶏肉を仕入れた問題が7月に発覚したこともあり、落ち込みはある程度想定できたのですが、ここまで深刻な状況になるとは思いませんでした。

テレビでは、中国の工場で変色した肉と新しい肉を混ぜているショッキングな映像が繰り返し放映されました。マクドナルドの業績不振は、こうした報道によるマイナスイメージの影響が尾を引いているはずです。「あれだけ安いのは、粗悪な食材を使っていたからか」と疑問を抱いた消費者は少なくないと思われます。

問題が発覚すると、日本マクドナルドは鶏肉の調達先見直しなど、素早く手を打ちましたが、事件発覚によるマイナスは今も払拭できていません。

個人店でも同じことは起こり得ます。あれだけブランド力がある「マクドナルド」が、これだけ急速に業績悪化するのですから、個人店が同様の問題に巻き込まれたら、悲劇的な結果になることが予想されます。

マクドナルドの例から分かるのは、消費者がこれまで以上に安さの理由に敏感になっているということです。

消費者の多くが飲食店に安さを求める状況は大きく変わらないと思います。しかし、どんなに料理を安く提供しても、安くても安心できる理由を説明できなければ、疑いの目で見られてしまうことを肝に銘じる必要があります。

大切なのは、普段からコミュニケーションを頻繁に持てる、信頼できる生産者や食材卸会社から食材を仕入れることです。そして、仕入れた食材の産地や加工業者などの情報をいつでも説明できるように準備しておくことです。

料理人や接客スタッフが直接お客に説明できるのが理想ですが、難しい場合は、メニューブックや卓上POPなどに必要な情報を記載するだけでも、お客をかなり安心させることができるはずです。

食材の安心・安全について説明しようと努力する店の姿勢をお客は必ず見ています。今後は、こうした伝える姿勢が、選ばれる店になるかどうかの基準になると思います。

2014年10月16日|Posted by 日経レストラン編集