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編集部のマルチスコープ

「産地直送」業態もオーナーの知恵次第

こんにちは。日経レストラン編集部の宮坂賢一です。

「恵比寿の東口には、オシャレな店が増えたよね」

恵比寿駅周辺で食事をしていたとき、近くのテーブルの女性グループからこんな声が聞こえてきました。

確かに、以前は地下鉄の乗り換え口などもある西口側に比べるとやや地味な印象があった東口にも次々と新しい店が誕生し、活気が出てきているように思います。

そんな店の一つで、産地直送の面白い発想に出合いました。

7月末、東京・渋谷や中目黒でバルなどを展開するティクリエ(東京・渋谷)がオープンしたバル「GALETTE STAND」は、そば粉を使ったクレープの「ガレット」をつまみとして、ワインやシードル(りんごを発酵させた酒)などを楽しめることが売り。

同社が昨年2月に新橋でオープンした「4 Vintheo(ヨンヴァンテオ)」が好評で、そのコンセプトを引き継いでいるそうです。

「そば粉のクレープ」とは言っても、デザートメニューは一部で、主力メニューはチーズや鶏肉、卵、かきなどが載り、食事として満足できるボリュームがあります。

面白いと感じたのは、ガレットの生地に使うそば粉へのこだわりぶりです。従来もガレットには国産のそば粉を使っていたそうですが、新店では長野県飯島町の契約農家から「そばの実」のまま取り寄せて店内の石臼でひいたものを使っています。

ティクリエの仲道敏夫社長によると「新店のために食材を検討していたところ、スタッフの親戚に長野県の方がいて、仕入れルートを開拓できた」とのこと。

「産地直送」をうたう居酒屋などが多くなりました。こちらの店も信州産の牛や鶏などの食材を扱っていますが、産地直送の「そばの実」を使い、店でひいて粉にするという発想は、今までになかった産地へのこだわりの表現方法であるように思います。

同じ「産地直送」の取り組みでも、工夫次第で他店と差別化できる新たなポイントを作り出せる。このことを改めて感じました。

2014年10月30日|Posted by 日経レストラン編集