「日経レストランONLINE」は、「日経レストラン」の休刊に伴い、3月末日をもって更新を休止することになりました。長らくご支援を賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。

編集部のマルチスコープ

シニアシェフが示す“小さな店”の新たな可能性

ご愛読ありがとうございます。日経レストラン編集長の戸田顕司です。

11月17日、日経レストラン好評連載中のコラム「冒険するレストラン」が、『お客に愛される料理人の秘密 冒険するレストランだけが生き残る』として書籍になります。

2010年4月に連載を開始し、これまでに取り上げたレストランは50軒以上。取材時とは異なる環境にどのように適応しているのか、著者であるレストランジャーナリストの犬養裕美子氏が再取材し、これからの時代に“生き残る”ための取り組みを解説しています。

書籍をまとめる際に犬養氏との打ち合わせで出てきたのが、シニア世代による新しいレストランの形です。還暦を過ぎてからイタリア料理店「ダ・マウ」を立ち上げた横山守オーナーシェフ(関連記事)、あえて席数を減らして最少人数で運営するスタイルを選択したフランス料理店「レストラン・キノシタ」の木下和彦シェフ(関連記事)など。

数多くの後進を育ててひと段落した感は、まるで子供が成人して手離れした親のよう。背負うものが少しだけ軽くなり、こじんまりでも楽しく働きたいという心境になるのでしょう。

仕込みから清掃まで、飲食店での仕事はどうしても長時間になりがちです。若いうちはそれでも体力でカバーできますが、年を取ると難しくなっていきます。このため、飲食業界から離れていく人材も少なくありません。

犬養氏はこうした流れを、「これまで“小さい店”は最初の一歩だったが、岐路に立つ局面での二歩目、想いを遂げるための最後の一歩にもなる」と表現しています。これまで数多くの人材を育成してきたシニアが、後進に向けてこれからどのような道筋をつけていくのか、気になるところです。

今を繁盛させなければいけないのは当然ですが、その先をどうしていきたいのか――。普段はあまり考えないテーマかもしれません。しかし、目先だけでなく将来を見据えておくことが、リーダーたる経営者や店長の務めであるのは言うまでもありません。

飲食店経営のヒントが詰まっている1冊です。すでに予約受け付けを始めています。発売を楽しみにしていてください。これからも日経レストランをよろしくお願い致します。

2014年11月6日|Posted by 日経レストラン編集