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"買った店ですぐ食べる"新スタイルの中食が増殖中

こんにちは、日経レストランの太田憲一郎です。

最近、「イオンモール木更津」(千葉県木更津市)に行く機会がありました。昨年10月にオープンしたイオンモールには、バーベキュー場やレーシングカート用のサーキットを併設するなど、進化型ショッピングモールにふさわしい新しい施設が多数導入されています。

そんなモールを回っていて、これは飲食店への影響が無視できないと感じたのが、食品売り場に併設された大型のイートインスペースです。木更津店の場合、約100席あり、テーブルも十分な数が置かれていました。これまでスーパーやコンビニに設けられていた、イートインスペースとは桁が違うという印象です。

このイートインスペースでは、食品売り場で購入した総菜や弁当などを自由に食べることができます。とんかつ店やパスタ店などの飲食店が軒を連ねる「フードコート」とは別に、食品売り場のすぐそばに、かなり広いスペースが設けられています。

イートインスペースのすぐ横にはベーカリーがあり、周囲によい香りを漂わせていて、食欲をそそります。1杯100円(税込み)で購入できる、セルフサービスのドリップコーヒーベンダーもあります。イオンはこのイートインスペースを、お客が快適に過ごせるように、よく考えて作っていると感じました。

スーパーの総菜は全般的にかなりレベルが向上していて、このモールの食品売り場に並ぶ総菜なども、彩りや盛り付けが工夫されていて、とても魅力的に見えます。

買い物に来たお客が総菜やドリンクを購入して、すぐその場で食べたいと思うのも不思議ではありません。その場で食べてしまえば、洗い物などの手間も掛かりません。家事の時短といったことがトレンドになっていることを考えると相当なニーズがありそうです。

スーパーやコンビニでお弁当や総菜を購入し、自宅で食べることを「中食」と言います。このモールのように、今後スーパーはイートインスペースを充実させることで、中食の領域を拡大させていくのではないでしょうか。

このイートインスペースを飲食店に見立てると、客層は独身者から家族連れまで、世代は若者から高齢者まで、朝食から昼食、カフェタイム、夕食まで幅広いターゲットとニーズに対応できる使い勝手のよい“セルフ業態”といったところでしょうか。

イオンは、新店やリニューアル店で、大型のイートインコーナーを設置する取り組みを強化しているようです。お客のニーズに素早く対応する流通業界のことですから、他のスーパーもイートインスペースを強化してくると考えられます。

こうしたスーパーと商圏が重なる飲食店は、これまで以上に接客の質を高めたり、スーパーが真似できないほど手の込んだ技術や調理法で、おいしい料理を提供したりといった飲食店ならではの強みに磨きを掛ける必要があります。

2015年1月22日|Posted by 日経レストラン編集