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クラウドファンディングで、サバ専門店が出店を加速

日経レストランの太田憲一郎です。

大阪と京都に3店舗を展開してきたとろさば専門店、「SABAR(サバー)」の4号店が東京・恵比寿にオープンしました。東京に初進出した同店の目玉は、青森・八戸産の脂が乗ったサバを使う料理です。

「SABAR」を運営する鯖や(大阪府豊中市)は、2014年1月に大阪・福島で1号店、7月に大阪・天満に2号店、12月に京都・烏丸に3号店と短期間で店数を増やしました。3店の月商は、福島店は店舗面積24坪で600万円、天満店は27坪で700万円、烏丸店は70坪で860万円と、いずれも経営は順調です。その「SABAR」が満を持して東京に進出してきました。

実は、鯖やは、福島店と天満店、恵比寿店を出店する際に、クラウドファンディングの仕組みを使って資金を調達しました。クラウドファンディングは、ファンド運営会社を通じて、事業に興味を持った個人投資家から、インターネット経由で広く資金を集める仕組みです。ファンド運営会社に収める初期費用や手数料のほか、一定の売り上げを達成した場合は、出資者に分配金を支払う必要があるので、必ずしも手軽に利用できるわけではありません。

それでも、実績のない個人店がまとまった資金を調達できる有効な方法として注目されています。しかも、その出資金なので、銀行からの借り入れと違って毎月の返済の必要がないことも開業から間がなく、経営が安定しない飲食店には大きなメリットです。

企業がクラウドファンディングで効率良く資金を集めるためには、事業への思いや可能性を出資者に伝えて、共感を得る必要があります。鯖やは「とろさば専門店」という業態の独自性をアピールして多くの出資者の期待を集め、上記3店の出店資金として合計で約3500万円を調達することができました。この資金があったからこそ、これほど短期間で多店舗展開ができたのです。

鯖やは、今年中に東京・大手町と同・霞ヶ関の商業施設に出店を予定しています。既存店を繁盛させたことが評価され、商業施設の運営会社からの出店オファーを受けた結果です。今では銀行からも有利な条件で借り入れできるようになり、クラウドファンディングを使わずに資金調達ができるようになったそうです。

クラウドファンディングを効果的に活用して成功した鯖やの例は、これから店舗拡大を目指す飲食店経営者にとって大いに参考になると思います。

2015年3月19日|Posted by 日経レストラン編集