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編集部のマルチスコープ

ベテランが教え上手とは限らない

ご愛読ありがとうございます。日経レストラン編集長の戸田顕司です。

2015年も早くも3カ月が過ぎ、新年度が始まります。新卒の社員を迎えた飲食店も少なくないでしょう。日経レストラン4月号の特集「スタッフが伸びる店にする」では、現場力を高めるために繁盛店が実施している人材教育の取り組みを取り上げました。

人材の育成は、あらゆる企業にとっての課題です。以前に、「人材百年の計」という名称の表を作成している中小メーカー社長に話を聞いたことがあります。表は実にシンプル。社員が入社したときの年齢から定年までを棒線で記しただけです。

この表を見ると、誰が現在いくつで、いつまで勤務しているのかが一目瞭然というのがポイントです。これを参考に、「年次構成のバランスを意識して採用活動している」と社長は言います。

「人材百年の計」を作成するきっかけは、社長自身が入社したとき、年齢が最も近い先輩でも10歳年上だったこと。「できて当たり前」の先輩は、当時は初心者だった社長がなぜ作業をうまくできないかが分からないため、社長が理解できるように教えることができなかったそうです。

そこで、入社間もない頃にどのポイントでつまづいたかを覚えている2年目社員に、後輩を指導してもらおうと考えたわけです。今では、先輩社員が自発的に教育する社風が醸成されているとのこと。この結果、業績も堅調に推移しているようです。

社長が社員一人ひとりの定年まで意識している姿勢を示すことで、社員にとっては安心感が得られると同時に、会社への愛着心が芽生えることでしょう。こうした点が、仕事に好影響をもたらしていると考えられます。

ちょっとした工夫ですが、飲食店の経営者や店長にも参考になる取り組みだと思います。今後、人口が減少していくなかで、スタッフが定着する職場の実現は必須事項です。日経レストランでは、今後もお役に立てる情報を発信していきます。よろしくお願い申し上げます。

2015年4月2日|Posted by 日経レストラン編集