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編集部のマルチスコープ

日本酒専門店で感じた「会話力」の大事さ

こんにちは。日経レストラン編集部の宮坂です。

最近は、若い経営者が後を継ぎ、新しい酒造りに取り組む日本酒の酒蔵が増えています。新しい銘柄が続々と登場し、ラベルもおしゃれなものが増えているようです。

このため、日本酒の品ぞろえが充実した店に行くと、どの銘柄も初めて見るものばかりで、銘柄名だけでは、どんな味なのか、判断するのに迷うことがよくあります。

先日も、取材先の方から日本酒が充実していると伺った居酒屋を訪れてみましたが、ここでも銘柄選びに悩みました。

月替わりらしい日本酒メニューには、20数種の銘柄が並び、蔵元の所在地、「大吟醸」「本醸造」といったキーワードが記されていますが、具体的な味の傾向は分かりません。しかも、店は満席なのでスタッフは忙しそうで、結局、当てずっぽうで銘柄を選ぶことになりました。

こうした経験から気づいたのは、単純に、日本酒の品ぞろえだけを充実させても、お客を日本酒ファンに育てて常連にしていくのは難しいだろうということです。

日頃から蔵元などを回って得た知識を整理し、お客様に分かりやすく伝えられるように準備をし、お客と楽しく会話をしながら、言葉の端々に飛び出すキーワードを聞き逃さず、「お客様の好みは、この銘柄あたりではないでしょうか」と提案できる接客力があって初めて、専門店としての魅力が出てくるように思います。

日本酒に限らず、ワインバル、クラフトビール店、コーヒー店など、商品の特長をお客に分かりやすく伝える接客技術が従来より重要になっている業態は増えているように思います。こだわりの品ぞろえで勝負する店を目指すならば、その知識をお客に分かりやすく伝えることができているか、もう一度確認してみてはいかがでしょうか。

2015年5月14日|Posted by 日経レストラン編集