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火災ですべてを失う前に

こんにちは、日経レストランの太田憲一郎です。

先日、自宅近くのラーメン店で火災がありました。

翌朝、店の近くを通ると、周囲に焦げたにおいが漂っています。店の入り口の上にあるビニール製のヒサシが熱で溶けていて、痛々しく見えました。

消防署員が現場検証している店の前には、店長やスタッフらしき数人が呆然と立ち尽くしていました。ラーメン店はアパートの1階に入っていましたが、不幸中の幸いで、燃えたのは店だけで済んだようです。

東京消防庁の発表によると、東京の火災件数は減少していますが、飲食店の火災は増えています。火元の約半数は厨房設備で、出火原因のトップは「調理中に火をかけたままその場を離れ、放置したり忘れたりする」ことで、53%を占めています。

全体的な傾向として、外食の市場規模の縮小に伴い、東京都内の飲食店の件数は減少しています。それにもかかわらず飲食店の火災件数は増えているのは、もしかすると、以前より少人数で運営する飲食店が増えていることが影響しているのではないでしょうか。

多くの飲食店は、人手不足や人員削減の影響で、少人数での店舗運営を強いられています。当然、1人当たりの作業量は増えます。同時に複数の仕事を進めるなかで、火にかけた鍋を放置したりすることが増えたとしても不思議ではありません。

火災を起こせば一定期間営業できなくなります。火災の程度にもよりますが、厨房機器を入れ替えたり、内装をリニューアルしたりなどの費用は相当な額に達するはずです。場合によっては、近隣住民に大きな損害を与える可能性もあります。一部は火災保険などを当てたとしても、すべてを負担して営業を再開するのは大変困難です。

どんな繁盛店でも、火災を起こして営業できなくなればそこでおしまいです。厨房を離れるときは火を消す、延焼を起こしやすいダクトを定期的に清掃する、消火器を設置するなど、火災を未然に防ぐ対策を改めて確認したいものです。

2015年5月21日|Posted by 日経レストラン編集