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編集部のマルチスコープ

ミラノの日本食レストランで教わったこと

ご愛読ありがとうございます。日経レストラン編集長の戸田顕司です。

5月上旬にイタリア・ミラノへ行き、国際博覧会(ミラノ万博)の会場を訪ねました。日本館は人気の高いパビリオンの1つ。いつ見ても、30~40分待ちの行列ができていました。お昼時にはフードコートは満席状態で、ライスバーガーや幕の内弁当、天ぷらそば、カレーライスをほおばる多数の外国人の姿がありました。「日本食」というコンテンツの競争力の高さを実感しました。

また、現地の日本食レストランにも伺いました。人気店の1つ、「レストラン大阪」です。メニューブックを開いて、思ったのが価格の高さでした。ランチタイムでしょうゆラーメンと餃子4個のセットやカレーライスとサラダのセットが12ユーロですから、日本円にして約1620円となります。

日本からの輸入食材を使っているから高いのか――。「レストラン大阪」のオーナー、青木直子氏に話を聞くと、必ずしもそうではなさそうです。その背景にあるのが、スタッフの労働環境です。

ミラノでは、「スタッフの社会保険料を負担するのが必須で、さらに1カ月という長期の休暇も用意しなければいけない制度になっている」(青木氏)といいます。こうした人材にかかわるコストが、料理の価格を押し上げているというわけです。

見方を変えれば、これだけの労働環境を整備できない飲食店は、営業が続けられないということ。安く売るために、スタッフの人数を絞って長時間働かせられない点は、安易な新規参入を防ぐ“障壁”と言えそうです。

日本の飲食業界は、“周期的”に長時間労働といった問題がクローズアップされます。労働環境に対する周囲の目は、さらに厳しさを増していくことでしょう。そこで、どうやって利益を確保しているのか。ミラノのように規制がある地域の日本食レストランから学ぶことはたくさんありそうだと感じた次第です。

日経レストランでは、今後もお役に立てる情報を発信していきます。何卒よろしくお願い申し上げます。

2015年6月4日|Posted by 日経レストラン編集