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編集部のマルチスコープ

デザインの視点で料理をよりおいしくする

こんにちは。日経レストランの太田憲一郎です。

レシピムック『自慢したくなるごちそうレシピ』を発売しました。本誌で連載していた人気コラム「こちらメニュー開発部」を再編集した内容で、有名店のシェフが提案する自慢のレシピを121点掲載し、プロの料理人が読んでも参考になるレシピ集に仕上がりました。

本誌掲載時との大きな違いは、料理の写真を誌面いっぱいに使っている点です。カメラマンの川田雅宏さんが撮影した料理写真は、料理の魅力を最大限に引き出していて、見ているだけで食べたくなります。

料理にとって、色や形などのビジュアルが味と並んで、おいしさを左右する重要な要素であることは言うまでもありません。今回のムックを編集しながら、改めてそのことを認識しました。実際にムックを手にとってパラパラとページをめくっていると、彩りや盛り付けが美しい料理のページで、思わず手が止まります。

実際の店舗では、使用する器やカトラリー、テーブルの色合い、照明の明るさといった周囲の環境も考慮に入れて、料理の見せ方をコーディネートすることで、料理のおいしさは最大限に高まります。

こうなるともう、デザイナーの域です。魅力的な料理を提供したい料理人には、デザイナーの素養が求められるということです。実際、料理人になる前に、デザイン関連の仕事をしていた料理人も少なくないようです。

今回のムックに登場する東京・広尾の日本料理店「幸せ三昧」の中山幸三さんもその1人。寒天やくず粉などを使ったカラフルで質感が豊かな料理には、グラフィックデザイナーとしての経験が生かされていると感じます。

お客が美しいと感じた料理を撮影してグルメサイトやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に投稿することが増えています。携帯電話やスマートフォンに搭載されるカメラの性能は年々向上し、投稿される写真の質もレベルアップしています。これらの写真をきっかけに来店するお客も増えています。今後は、料理のデザインの良しあしが集客を大きく左右するようになりそうです。

料理にデザインの視点を導入することは、今後ますます重要な意味をもってくるはずです。

2015年7月16日|Posted by 日経レストラン編集