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編集部のマルチスコープ

「食品ロス」とどう向き合うか

ご愛読ありがとうございます。日経レストラン編集長の戸田顕司です。

「日経レストラン」は9月号をもちまして、創刊500号となりました。弊誌をご愛読いただいている読者の方々、弊誌の取材活動にご協力いただいている飲食店関係者の方々、そして弊誌の制作に携わっている関係者の方々、皆様に厚く御礼を申し上げます。

9月号の取材で、英レストランマガジン社が主催するアワード「世界のベストレストラン50」において、日本の店として過去最高の8位に選ばれた「NARISAWA」(東京・南青山)の成澤由浩オーナーシェフに話を聞きました。そのとき、イタリア・ミラノで開催されている国際博覧会(ミラノ万博)の話題も出てきました。

成澤シェフは7月、ミラノでユニークなイベント「アンブロジアーノ食堂」に参加して料理を振る舞ったとのこと。これは、ミラノ万博で出てくる賞味期限切れ前の不要になった食材を使って調理した料理を、貧困層などに無償で提供するという取り組みです。

この背景には、本来は食べることができるのに捨てられる「食品ロス」がある一方で、満足に食事ができない貧困層がいるという2つの社会的課題があります。「アンブロジアーノ食堂」の試みは、1つの解決策というわけです。

欧州委員会は、2014年7月に「循環経済パッケージ」(ヨーロッパの廃棄物ゼロプログラム)を発表しました。25年までに食品廃棄物を30%削減し、加盟国に食品廃棄物削減の国家戦略策定を提案するというものです。

こうした動きは、いずれ日本でも強まることになるでしょう。国の試算によると、年間の食品廃棄物は約1700万トンに達し、このうち食品ロスは500万~800万トンになります(11年度推計)。

「食品ロスの問題を『どうしようもない』と手をこまぬいているだけでなく、何かしらアクションを起こすことが大事だと思います」と、成澤シェフは「アンブロジアーノ食堂」の活動を評価します。

おいしく楽しい食事の場を提供すると同時に、食品ロスのような社会的課題と向き合っていくことも、これからの飲食業には求められていくことでしょう。「食を満たす」から「食の環境を守る」へ――。飲食店の社会的な存在意義が変わっていきそうです。

日経レストランでは、今後もお役に立てる情報を発信していきます。何卒よろしくお願い申し上げます。

2015年9月3日|Posted by 日経レストラン編集