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編集部のマルチスコープ

店の付加価値をアピールして人材確保

こんにちは。「日経レストラン」の太田憲一郎です。先日職場近くの和食料理店の壁に、アルバイト募集のチラシが張られていました。見ると、夜の営業の時給が1200円でした。

都内では、時給1000円前後が多い中で、相場よりもかなり高い設定に、ちょっと驚きました。それだけ求人に苦労しているのだと思います。

求人サイトなどに広告を出しても、応募が集まらず掲載費を無駄にすることが多いという話を飲食店経営者からよく聞きます。今後は、求人広告を掲載して待つだけでは、アルバイトや社員を集められなくなっています。

また、スタッフが短期間で辞めてしまう問題もあります。スタッフをすぐに辞めさせないためには、時給を上げるだけでは不十分で、店で働くことを通して得られるプラスアルファの価値を示すことが大切になると思います。

大手外食企業は、そうした視点でいち早く攻めの姿勢を打ち出しています。

例えば、社員の募集方法に工夫をしているのが、焼鳥店「てけてけ」を展開するユナイテッド&コレクティブ(東京・港)。同社は、「てけてけ 渋谷道玄坂店」で「就活応援0円酒場」と称して、飲み放題付きのコース料理を学生に無料提供しながら、自店の特徴を説明するセミナーを定期的に開催しています。

これは社員募集の場合ですが、個人経営の居酒屋などがアルバイトを募集する場合でも、近隣の大学に通う学生のグループを招待して、料理をサービスしながら、同世代のアルバイトが店で働く楽しさを語りかければ、不安が解消されて「働いてみよう」と思う学生が増えるかもしれません。

すでに働いているアルバイトに付加価値を提供する例もあります。

地鶏が売りの居酒屋「塚田農場」を展開するエー・ピーカンパニーは、同社の学生アルバイト向けに就職活動を支援するセミナーを開催しています。卒業を控えた学生にとって就職は最大の関心事。それをサポートすることで、同社の店で継続して働くことで得られるメリットを用意しています。

個人店には、就職セミナーは難しいかもしれませんが、シェフが主婦アルバイト向けに、無料で料理教室を開いたりすれば、きっと喜ばれて働き続けるモチベーションになると思います。

待ちの姿勢で求人をしてもスタッフは集まりません。飲食店の人手不足の状況を変えるには、お客様に対するのと同じように、スタッフに対しても店への満足度を高めてもらうアピールが必要だと思います。

2015年9月24日|Posted by 日経レストラン編集