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編集部のマルチスコープ

お客と一緒にワインリストづくり

ご愛読ありがとうございます。日経レストラン編集長の戸田顕司です。

うれしいニュースがありました。8月に「SHINOBY'S BAR 銀座」の取り組みを『銀座で素人が始めたファンが続々と生まれる看板のないワインバーの仕組み』として出版したのですが、2月のオープン以来、10月は最高売り上げを記録しそうだというのです。

資産運用コンサルティングを手掛ける内藤忍氏がオーナーを務める「SHINOBY'S BAR 銀座」は、誰でも銀座で“店長デビュー”できる「一日店長」制度、“時給0円”で働くサポートメンバーなど、独自の試みで集客しています。

そんな同店が、出版後に開始したのが「ダーウィンプラン」です。これは、コース料理にワイン飲み放題をつけて5000円というもの。個室「SHINOBY'S BAR 銀座ANNEX」限定で、4~8人が対象です。メニューは、現在、前菜にフィンガーフード盛り合わせ、サラダ、コールドローストビーフ、トリュフライスといった具合です。

ユニークなのが、ワインの提供の仕方です。1本めはスパークリングワインで、2本め以降は、お客は赤か白かを選ぶだけ。すると、チリやオーストラリア、カリフォルニア、南アフリカ、アルゼンチンなどの「ニューワールド」と呼ばれるワインがボトルで出てきます。ボトルを飲みきったら、次のワインが提供されます。

ポイントは、最後にお客がワインを評価する点。これによって、ラインアップに残すワインと外すワインを決めていきます。お客の評価でワインのセレクションが“進化”していくので、「ダーウィンプラン」というわけです。

「9月以降ほとんど反応なかったが、10月下旬から関係者以外の予約が急に入り出し、11月、12月も既に予約が入っている状態で、今後さらに件数が増えそう。明らかに認知が高まって予約する人が増えている」と内藤氏は言います。

お客が、単なる利用者として店に要求するのではなく、店と一緒により良い姿を探っていく――。こんなところに楽しさを感じる人も少なくないということでしょう。そして、ワイン選びという作業を通じて醸成できる一体感によって、店の求心力が増すことも期待できます。

店のファンをどう作っていくかは、多くの飲食店が頭を悩ませている問題でしょう。お客の声を聞きながらワインをセレクトしていく「SHINOBY'S BAR 銀座」の「ダーウィンプラン」は、1つのヒントになると感じます。

日経レストランでは、今後もお役に立てる情報を発信していきます。何卒よろしくお願い申し上げます。

2015年11月5日|Posted by 日経レストラン編集