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編集部のマルチスコープ

お客との距離を縮める接客の大事さ

こんにちは、日経レストラン編集部の宮坂です。

先日、取材で北欧料理を提供する新しいレストランに取材に伺いました。

料理も進み、同行したメンバーと、“居酒屋の神様”こと、楽コーポレーションの宇野隆史社長にお願いしている本誌連載コラム「小さな繁盛店」の話を始めたときです。

我々が座っていたカウンターの向こう側から、「私、楽で働いていましたよ」と店主から声が掛かりました。こちらは、内輪で仕事の話をしているつもりでした。しかも、木材を多く使ったカジュアルシックなレストランと居酒屋のイメージが結びつかず、とても驚きました。

思わず、カウンターから身を乗り出して、お話を伺ってみると、フランス料理店などで修業をする間に、お客と会話をする接客技術を身に付けようと、2~3年ほど楽コーポレーションの店で働いたのだそうです。料理をかしこまって提供するのでなく、お客と会話をしながら料理を気軽に楽しんでもらう店を実現するには、「楽」の接客が大事だったというわけです。「こうしてお話をしながら、料理を提供できるのも、『楽』で修業したからですよ」と店主は笑顔で話していました。

「楽」の店にお客として通っていて、その接客の楽しさに目覚めて入門するという方の話はよく伺いますが、レストラン志望の方まで引きつけていたことに脱帽しました。

都市部ではお客のチェーン店離れが進み、大手居酒屋チェーンなどが地域密着型で個人店の良さを取り入れた個性的な店を増やそうとするケースが増えています。料理やドリンクの品ぞろえ、手書きのお薦めメニューといった点で、個人店をかなり研究していると感じる店も少なくありません。

ただし、店主の個性でお客を引きつけ、会話で店とお客の距離感をなくすといった接客力は、個人店に一日の長があると思います。ますます競争が厳しくなりそうななか、もう一度、店の接客力、会話力を磨いてみてはいかがでしょうか。

2015年12月10日|Posted by 日経レストラン編集