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編集部のマルチスコープ

食材の詳しい説明をどうお客に伝えるか

こんにちは、日経レストランONLINEの宮坂です。

肉料理専門店の出店は留まるところを知りません。

勢いのある店の一つが、東京・新宿で2014年7月に1号店をオープンしたカウンター式の焼肉店「立喰い焼肉 治郎丸」でしょう。

A4~A5ランクの牛肉を1枚ずつ注文でき、1人で入っても高級肉を楽しめるというこれまでになかったスタイルで人気を集めています。「治郎丸」の出店が増えた今も、新宿の店舗の前に行列ができているのをよく見かけます。

この繁盛店に以前入店したとき、一つだけ気になったことがありました。私のように牛肉の部位に詳しくないと、注文するときに迷うことです。

カウンターの奥には、本日の肉として「イチボ」「ザブトン」「ミスジ」といった部位名が書かれた木札がかかっており、それを見ながらオーダーをするのですが、その名前だけでは、私にはどのような部位の肉なのかはなかなか想像がつきません。

しかも、大抵はカウンターをお客が埋めていてスタッフの方は忙しそうなので、肉1枚ごとでは説明を聞きにくい印象です。

当てずっぽうで頼んでもそれなりに楽しい食事ができるのですが、次は脂が乗った肉、あっさりした肉など、自分なりに緩急がつけられると、いろいろな肉を1枚ずつオーダーできる醍醐味をもっと楽しめるのではないかと思いました。

ではどうするべきか。カウンター焼肉という業態の性質上、カウンターに部位の説明を詳しく書いたグランドメニューを用意するのは難しそうです。

そこで、私が考えたのは、カウンターにタブレット端末を置き、そこで部位や産地などの特色を見て注文できるようにすることです。

ロードサイド型の焼肉店では、タッチパネルで注文を受け付けるところがありますから、それと同様にタブレット端末を置き、肉の写真や説明を見ながら注文できればもっとお客の満足度は高まるのではないでしょうか。

また、東京・高円寺で16年2月にオープンした「セルフ焼肉専門 焼肉じょんじょん」という店にも伺ってみました。高円寺駅の北口から数分の商店街の中にある店で、肉をお客が取りに行く、主なドリンクは自動販売機で売るといった、セルフサービスの導入により人件費を下げて肉のコストパフォーマンスを上げることがコンセプトです。

様々な部位を盛り合わせた「赤身盛り」(250g、2000円)など、肉の見た目から品質へのこだわりが伝わってはくるのですが、セルフが売りであるだけにスタッフの方による肉の説明はとても早口で覚えきれませんでした。

肉ブームの深化とともにこだわりの店が増えていますが、食材の専門性が高まる一方で、たまにしか外食をしない一般客に対しての分かりやすい商品の説明が不足しているように思います。店のこだわりを誰にも分かりやすく伝えるにはどうすべきか。もう一度考えてみてはいかがでしょうか。

なお、私が本メールマガジンを担当するのは、今回が最後となります。2013年春から約3年間、ありがとうございました。

2016年3月24日|Posted by 日経レストラン編集