日本食研が意識するコト発想とモノ発想とは
先日、日本食研という食品メーカーの製品内覧会「日本食研グループ外食フェア2009東京」に行ってきました。そう、あの“宮殿で本当に焼き肉のたれを作っている”ことで有名な会社です。
会は盛況でした。特に目に付いたのが、各ブースの展開の仕方です。多くが飲食店の現場で実際に使うことを想定して、製品をプレゼンしていました。例えば、居酒屋コーナーなら、原価を抑えたメニュー提案と共に製品が紹介されていたり、手軽にお通しとして出せる商品が、実際に店舗で提供するような盛り付けで試食できたり、といった具合です。
実は、日本食研が外食企業向けの製品内覧会を単独で開催するのは、今回が初めてなのです。これまでは、スーパーなど、小売店向けの内覧会の中に、外食のコーナーを設けていました。
1度で済んでいたものを、2つに分ければ経費が膨らみます。このご時勢に、なぜ外食向け内覧会を単独開催したのでしょうか。
その理由を、渡部康之リテール事業部部長はこう説明します。
「これまでもできるだけお客様の要望に応えようと努力してきたが、消費者のニーズが多様化し、景気情勢も一段と厳しさを増す中、よりキメの細かい情報を発信しなければならない。そのためには、小売店と外食の内覧会を別々に開催して、お客様をフォローしなければならないと判断した」。
日本食研には「コト発想」「モノ発想」という言葉があるそうです。
モノ発想とは、分かりやすく言えば、まず製品ありきで発想するということ。つまり作ったものを売るという考え方です。
一方、コト発想とは、顧客の事情を鑑みて、そこからどんな製品を薦めるかというものです。飲食で言えば店の規模や客層、従業員の数など、店の状況をしっかりと踏まえた上で、営業担当者が商品提案をするやり方です。
日本食研が追求しようとしているのは、当然「コト発想」。全国1800人に上る営業担当者たちは、常にこの言葉を胸に、毎日顧客のもとへ足を運んでいるのです。
メーカーの事情で販売戦略を立てる「プロダクトアウト」的な発想では、もはや商売が成り立たないという話は、ずっと伝えられてきたことです。しかし、不況の今こそ、こうした原点に帰ることが必要なのかもしれません。
【今週のちょいメモ】
日経レストラン本誌でお世話になっている経営コンサルタント、加藤雅彦さんと、人材育成会社経営の荒井良彦さんが、共著を出版しました。題して「満点接客! 飲食店のサービス 勝ちパターン35」(明日香出版社)。飲食店で起こりそうなシーンをクイズ形式にまとめてあり、ゲーム感覚で読み進めることができます。興味のある方は、書店でぜひお手にお取りください。
2009年6月24日|Posted by 高柳 正盛
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