「日経レストランONLINE」は、「日経レストラン」の休刊に伴い、3月末日をもって更新を休止することになりました。長らくご支援を賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。

編集部のマルチスコープ

ビールの価格が需給に応じて変化!? 米NY「エクスチェンジバー&グリル」(後編)

週末の夜は「マーケット・クラッシュ」でさらに割引

まず(前編)を読む

価格が変わると電光掲示板に表示されるだけでなく、同時にコンピュータの価格設定も変わる。客は電光掲示板を見て、価格が下がったのを見計らってオーダーすればいいが、大変なのはバーテンダー。ほかのバーでも働いたことのあるマイクさんは、「バーテンダーはビールやリカーの値段を頭に入れているから素早く対応できるんだけど、この店では価格がすぐに変わるので、コンピュータで価格を確認するひと手間が増えた。でも、それがこの店の特徴だからね」と話す。

ワールドカップで客を誘う「The Exchange Bar & Grill」

ワールドカップで客を誘う「The Exchange Bar & Grill」

この店のビールの通常の価格設定は、このエリアのほかのバーと同じか若干安いくらいだそうで、「メニューの価格では競争力のある価格設定になっている」(マイクさん)とのこと。また、ハッピーアワーが通常より長いなど、全体的に割安感があるため、価格変動にあって、たまたま通常よりも若干高いビールを飲むことになっても、お客は不満を感じなさそうである。

また、金曜と土曜の夜は恒例の「マーケット・クラッシュ」がある。景気回復がまだまだ感じられないニューヨークにあって相変わらず高い失業率を考えると、「マーケット・クラッシュ」というのはいささかブラックユーモアだが、客には受けている。このバーの「マーケット・クラッシュ」は、閉店間際の15分間、ビールが2〜4ドルに大きく値下がりするからだ。

このゲーム性があるユニークな趣向は、もちろんほかとの大きな差別化としてお客に受けているが、それだけでなく、店にとっては、在庫調整や料理の売れ残りを少なくすることができるというメリットがある。

このほかにも木曜、金曜、土曜の3日間はDJが入り、先日のワールドカップのさなかは朝の7時半まで営業するなど、客をワクワクさせる仕掛けをいろいろと打ち出しており、オープンして4カ月ほどにも関わらず、ビジネスは好調なようだ。

2010年7月22日|Posted by 手代木 麻生(フリーライター)