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編集部のマルチスコープ

NYのラーメンブームいよいよ本番(前編)

ラーメンシンポジウムのチケットも完売

このブログでニューヨークのラーメン事情についてレポートさせていただくのは、これで3回目くらいだろうか。日本のおいしいラーメンを知っている身にとって、5年前に初めて取材したころのニューヨークのラーメンは、まだまだ発展途上という印象だった。ところが、その後ラーメン店が増えて競争原理が働くようになったからか、または、日本でおいしいラーメンの味を知った舌の肥えたニューヨーカーが増えてきたからか、日本のように食材が安価では手に入らないなどのハンディがあるにもかかわらず、ニューヨークのラーメンは着々と進化し、日本人以外のラーメンファンも徐々に増えてきた。

それが目に見えて分かったのは、12月16日にアジアソサエティで開催されたシンポジウム「Ramen Fever」。雑誌などのフードエディター、ラーメンブロガー、ニューヨークのとんこつラーメンの草分けともいえるラーメン店「みんかラーメンファクトリー」と「かんびラーメンハウス」(newyorkramen.com)のオーナー、鎌田成人氏などによるプレゼンテーションのあとラーメンの試食ができるとはいえ、ラーメン1杯の価格より高い20ドルのチケットは完売。ラーメンに高い関心を寄せるニューヨーカーがすでに一定数いることを伺わせた。会場に来ていた参加者の半数以上は非日本人だった。

アジアソサエティで開催されたRemen Feverのチケット270枚は完売。会場には非日本人の姿が多かった

プレゼンテーションは、1970年代にインスタントラーメンが入ってきたというラーメンの“歴史”から始まって、ラーメンの変遷、現在のニューヨークにおけるラーメン事情についてなど。伊丹十三監督の「たんぽぽ」で渡辺謙がラーメンの食べ方を伝授されるシーンがスクリーンで紹介されると、会場で笑いが起こった。

日本全国のご当地ラーメンの特徴を紹介する「Rameniac.com」のブロガー、Rickmond Wong氏

九州に住んでいたときにラーメンと出会ったという「Rameniac.com」のブロガー、Rickmond Wong氏は、北海道から九州までのバラエティに富んだご当地ラーメンやラーメン博物館を写真で紹介。日本のラーメン通にも負けない内容の濃いプレゼンテーションを行った。Wong氏の本職は飲食関係ではないが、現在でも仕事で年に数回は日米を行き来し、その度に2,3週間日本に滞在しては、毎回20〜25軒のラーメン店を食べ歩き、新しいラーメンの発掘に余念がない、まさにラーメンオタク。多いときでは1日5食ラーメンを食べたこともあるという。

プレゼンテーションのあとの質疑応答では、「ラーメンのスープには何を使ったらおいしいのか」というラーメン通からの質問や、「日本のラーメン店にある食券の自販機は“クール”だと思う。あれをニューヨークでも導入してほしい」というリクエストが飛び出した。また、「ラーメンに合うアルコールは何?」という質問に対して「かんびラーメンハウス」のシェフが、日本人は普通、ラーメンは飲んだあとの締めに食べるので、どんなアルコールに合うかという発想はあまりないと答えると、会場から「私は焼酎が合うと思う」という声が上がった。大方の日本人は??と思うかもしれないが。

イーストビレッジは今やラーメンタウン

後編に続く

2010年12月27日|Posted by 手代木 麻生(フリーライター)