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編集部のマルチスコープ

NYのラーメンブームいよいよ本番(後編)

日本のとんこつラーメンブームがNYに飛び火

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続いて、「みんかラーメンファクトリー」、「かんびラーメンハウス」の2人のシェフによるラーメンの試食会があった。試食をしていた人は、ほとんどがラーメンの食べ方を心得ているラーメン中・上級者。試食していた若いカップルに話を聞くと、2人とももちろんラーメンが大好きだという。日本に行ったことがあるかと聞くと、「まだないけれど、本場のラーメンを食べに、ぜひ日本に行ってみたい」と答えてくれた。近い将来、ニューヨークから日本へ向けて、ラーメンツアーが企画されるかもしれない。

ところで、今、ニューヨークで主流を占めているのはとんこつ系。ラーメンブロガーのWong氏はロサンゼルスに住んでいるが、「ニューヨークでもロサンゼルスでも、かつてはどのラーメン店も一般的な醤油、味噌、塩の3種類を出していたが、ラーメンが注目を浴びるようになったのは、日本のとんこつラーメンブームがアメリカにも飛び火して、特徴あるとんこつラーメンが登場してから」と言う。また、「ラーメンファンは若者が中心であっさりした味よりもこってりした味を好むので、とんこつが主流になってきたのでは」とも。

「みんか」のオーナー、鎌田氏はミュージシャン。学生時代に新宿で食べていたとんこつラーメンをニューヨークでも食べたいと、独学でラーメンを研究。2004年に「みんか」、2008年に「かんび」をオープンさせた。それ以前からニューヨークにもラーメン店はあったが、Wong氏が言うように、日本にラーメンブームが到来する以前のスタイルでラーメンを提供していた。「みんか」は、とんこつラーメンに特化して他店と差別化したラーメン店の草分け。以来、山頭火、一風堂など、とんこつ系の日本で人気ラーメン店がニューヨークに進出し、それに負けない味で勝負できる個人経営のラーメン店もじわじわ増えてきた、というのがこの1,2年のこと。「みんか」が店を構える若者の街イーストビレッジは、いつの間にやらちょっとしたラーメンタウンになっている。

熊本風とんこつ系の「かんび塩ラーメン」10.50。同店の客単価は15ほど

2008年にオープンした「かんびラーメンハウス」席数35。姉妹店の「みんか」(2004年オープン)は席数20で、日本人客は2割程度。常連客が8割を占める

ところで、つい最近ロアーマンハッタンで新たなラーメン屋を発見。だが、なんとなく“あやしい”。というのは、日本のラーメン店の看板を見慣れている目には“何かが違う“のだ。なぜかはっきりしないまま通り過ぎたが、すぐに理由が判明した。そのラーメン店は、やはり、日本人経営ではなかったのだ。近くのヘアサロンの日本人美容師さんが教えてくれた。「あれを日本のラーメンだと思われたらくやしい」と。どうやら中国系の店らしい。でも、”なんちゃって寿司屋“に続いて、儲かるビジネスに敏感な中国人が経営する”なんちゃってラーメン屋“が出現したということは、ニューヨークのラーメンブームの予兆にはちがいない。

2010年12月27日|Posted by 手代木 麻生(フリーライター)