日本食レストラン推奨制度が正式スタート。でも……

海外のメディアから「スシポリス」と皮肉られた、海外の日本食レストランの認証制度を覚えていらっしゃいますか? 故松岡利勝前農林水産大臣肝いりの事業です。

内外の反発が大きかったためでしょうか、結局「認証」ではなく、海外における日本食レストランの優良店を「推奨」することで、日本食の普及を支援するという形で収まり、その事業主体となる民間組織、日本食レストラン海外普及推進機構(JRO)が先週発足しました。

その設立総会に顔を出しました。話題の赤城徳彦農林水産大臣はいませんでしたが、副大臣や総合食料局長が出席し、農水省の力の入り具合を感じました。この組織には2億7600万円もの補助金が下りていることからもそれは分かります。

JROの主な事業は、日本食レストランの推奨事業のほか、海外における日本食調理技術の向上のための教材の作成や現地での講習会の実施、日本食・日本産食材のPR、現地の日本食レストランへのサポート、など盛りだくさんです。

民間レベルでは、京都の老舗和食店が中心となって作ったNPO法人の日本料理アカデミーがフランスの料理人たちとの技術交流を通じて、日本食の調理体系や技術を伝えようとしたり、日本で外国人向けに寿司を握る技術を教えるスクールができていたり、いろいろと海外との交流が進み始めているのですが、まだ大きな動きにはなっていません。調理技術だけでなく、生食が多い日本食については、衛生管理の考え方やノウハウをもっと伝えていくことも必要だという声もあります。

その点、JROは一つのきっかけになると思うのですが、不安がないこともありません。来年3月末までの予算を見ると、補助金と会費でまかなった2億9000万円あまりの支出のうち、4割以上の1億2300万円は、海外における日本食ニーズの把握と現地での日本食と日本食材のPRに投じられる予定で、各国の関係団体との交流や人材育成に関する事業には、4000万円あまりしか割かれていません。

もともと、この事業自体、故松岡大臣が日本産の食材をもっと海外に売り込むことを考えてスタートしているわけですから、「正しい日本食」を知ってもらい、日本産食材の売り込みを図ることが第一の目的となるのは当然といえば当然ですが、もう少し現場での交流に力を入れてもよい気がします。「初年度は、時間もないことなので、とりあえずPRから」ということかもしれませんが……。

日本食レストランの推奨基準は、秋には決まり、年度末には活動が本格化する予定です。少なくない補助金を投入する事業が、今後どう動いていくか、興味深く見ていきたいと思います。

2007年7月25日|Posted by 遠山 敏之

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