「日経レストランONLINE」は、「日経レストラン」の休刊に伴い、3月末日をもって更新を休止することになりました。長らくご支援を賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。

読んでおきたいこの1冊

旧態依然とした駅弁を 攻める駅弁へ変えた男の歩み

『駅弁革命』

2010年7月22日

文=稲田 由美子

『駅弁革命』

『駅弁革命』小林 祐一、小林 裕子 著、発行:交通新聞社/840円

パターン化した作りと味、割高感で売り上げが長期低迷していた駅弁。その流れが明らかに変わったのは今から10年ほど前のこと。

予約なしで買える3800円の高級品、老舗の看板商品を取り入れたもの、料理長のお品書付きなど、攻めの商品が次々登場した。そのシカケ人の一人が本書の主人公、NRE大増(旧日本食堂)の横山勉氏だ。

懐石料理の総料理長から、何の思い入れもないまま駅弁開発を担当することになり、そこから始まった弁当漬けの日々。「冷めておいしい」「工場で作る」という制約の中での新商品開発は様々な困難の連続だが、その都度、誠実に解決策を探り、多くのヒット商品が生まれた。妥協を許さないその姿勢は、飲食店のメニュー開発者にも大いに参考になる。