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読んでおきたいこの1冊

鮮やかな写真が語る おいしさへのこだわり

『レストランジャーナリスト犬養裕美子の人生を変える一皿』

2010年10月14日

文=稲田 由美子

『レストランジャーナリスト犬養裕美子の 人生を変える一皿』

『レストランジャーナリスト犬養裕美子の人生を変える一皿』犬養 裕美子 著 発行:枻出版社/1575円

約5年間にわたって、雑誌「リアルデザイン」と「Discover Japan」に連載された記事を再編集したもの。登場する店は46店で、その内訳はフレンチ20店、イタリアン9店、寿司店やそば店を含む日本料理7店、中国料理5店、その他5店だ。

特に「美味しいデザイン」と題した第2章が、料理のデザイン性に注目していて興味深い。フレンチの「レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ」、「日本料理 龍吟」、中国料理の「礼華」、パティスリーの「トシ・ヨロイヅカ」、イタリアンの「リストランテ・ホンダ」など、20店の20品について、作り手とその料理の関係を紹介した上で、素材や皿上の構成などを詳しく解説している。すでにメニューから消えたものもあるが、著者は「シェフたちの進化の過程と、歴史的証言」と位置付けている。

材料を厳選し、時間をかけて磨いた技術で創り出した料理を、誇りを持って提供する姿勢は、飲食店を測るモノサシが“激安”に偏りがちな今こそ、輝きを増す。