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読んでおきたいこの1冊

顧客、仕入れ先、競合企業と共存共栄を目指す経営

『売れ続ける理由』

2010年12月9日

文=稲田 由美子

『売れ続ける理由』

『売れ続ける理由』佐藤 啓二 著 発行:ダイヤモンド社/1500円

仙台・秋保(あきう)温泉にあるスーパー「主婦の店・さいち」。夫が社長、妻が専務を務め、売り場面積80坪弱、パートを含めた従業員数53人の小さな店だが、全国から研修依頼が殺到。これまでに600社以上を受け入れた。

自家製の「秋保おはぎ」(1個105円)は1日平均5000個、土日祝日は1万個以上、お彼岸の中日には2万個を売り上げ、今や仙台名物。おはぎを含む総菜部門の売り上げは、年商(2010年3月期で6億円)の約半分を占めるという。

本書では、この店の社長が独自の経営哲学を語っている。総菜を作るのにレシピは持たない、チラシを打たない、仕入れ先とは価格交渉をしないなど、一見すると型破りだが、目指すのは顧客や仕入れ先、競合他社との共存共栄だ。原材料の値上がりで総菜の原価率は60%と高いが、ロスゼロを実現した結果、利益が出る。この一例が、常識破りの経営の可能性を示す。異業種ではあるが、飲食業でも学ぶ部分は多い。