喫煙可能を売りに!新しいスタイルのカフェがオープン

喫煙可能を売りに!新しいスタイルのカフェがオープン

喫煙ニーズを捉え、他店との差別化を図る

2012年5月15日

“タバコが吸える”ことをアピールし、他店との差別化を図ろうとしているカフェが、このたび、埼玉県越谷市の大型ショッピングセンターに開店した。「喫煙」をどうビジネスに結びつけるのか? 同店を運営する元林(大阪市)の担当者は、統計データや過去の成功事例を基に、十分採算は取れると自信をのぞかせる。加えて、喫煙者、非喫煙者の共存共栄にも力を尽くす。

埼玉県越谷市にある大型ショッピングセンター「イオンレイクタウン」。連日、大勢の買い物客でにぎわう商業施設内に、2012年4月27日「SMOKING CAFE BRIQUET(スモーキング カフェ ブリケ)」がオープンした。その店名が示すとおり、「タバコが吸える」ことを積極的にアピールしたカフェだ。ちなみに「ブリケ」とはフランス語でライターを意味する。全席喫煙可なのはもちろん、店内にはパイプや、キセル、ライターなど、タバコ関連グッズの販売コーナーも併設されている。喫煙者にとっては、オアシスのような店だ。

ライターなど喫煙具の物販コーナーもある

近年、神奈川県で受動喫煙防止条例が施行され、兵庫県では先日、受動喫煙防止条例が議会で可決された。その他の地方自治体でも条例制定の動きがみられる状況下で、昔は喫煙できたのに、分煙のための設備投資も難しく、禁煙にしてしまう店も増えてきている。そんななか、同店をオープンした意図について、元林東京支店の村尾光一支店長は「年々、肩身が狭くなっている喫煙者の方々がくつろげる空間を提供するのが目的です。我が社はタバコ関連の商品を主に取り扱っており、こうした場をご用意するのは企業としての使命だと考えています」と語る。

しかし、出店する以上はお客に支持される店を作り、黒字経営にしなくてはならない。単なる使命感だけで店は成立しないだろう。村尾支店長は「2011年11月時点での国内の喫煙者数はおよそ2279万人にのぼります。この数字は、人口の21.7%に及び、5人に1人は喫煙者という計算です。こうした人たちをターゲットにすれば、十分に勝算ありと見込んでいます」とデータを基に持論を述べる。

勝算にはもう一つの裏づけがある。2008年に新橋・有楽町で愛煙家のための全面喫煙カフェとしてオープンした「カフェトバコ」は、喫煙者から「気兼ねなく喫煙できて、快適」などと、好評を得ており、営業も好調だという。「ムードに流されずに、お客様のニーズにきちんと向き合うことが、黒字化のポイントと考えています」(村尾支店長)。

同店は喫煙者をターゲットにしているものの、イオンレイクタウンにはカップルや家族連れも多く訪れる。より多くのお客に来店してもらうために、非喫煙者への配慮も忘れない。

同店は全席喫煙にも関わらず、タバコのにおいがほとんどしない。その秘訣は高い天井と強力な換気設備にある。タバコの煙は上に上昇する性質があるため、天井が高いとお客は煙の存在をあまり感じなくてすむ。イオンレイクタウンのテナントの天井が高いことを利用した形だ。さらに、換気に関しては以前入居していた店舗の設備より強力なものに取り替え、より快適な空間づくりを推進している。

落ち着いた雰囲気と高い天井が特徴

とはいえ、喫煙者が考える以上にタバコの煙に敏感な非喫煙者が入店する場合もある。そこで、扉に「全席喫煙席となっておりますので、たばこの臭い、煙が苦手なお客様は入店をお控えください」と明示し、無用なトラブルが発生することを避けている。「基本的には喫煙者にくつろいでもらうお店なので、そのコンセプトは守りつつも、可能な範囲で非喫煙者の方にも楽しんでもらえる店づくりを心がけています」と村尾支店長は語る。

入口の扉に全席喫煙であることを表示している

今後は喫煙者のマナー向上のためのイベントを同店で開催する予定だという。「喫煙具メーカーとして喫煙者を支援する一方で、非喫煙者に対する配慮も不可欠です。両者の共存共栄のために力を尽くしていきたい」(村尾支店長)。

なお、今回オープンした店はあくまで1号店。経営が軌道に乗れば、今後出店を増やす予定で、この事業に賛同するオーナーを募ってフランチャイズ化も視野に入れる。将来的には30店程度の展開を想定しているという。

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