地域性、客層に合わせて快適な分煙環境を提供する「びっくりドンキー」【後編】

地域性、客層に合わせて快適な分煙環境を提供する「びっくりドンキー」【後編】

客席の状況に常に目を配り、喫煙・非喫煙のお客が共に心地よく過ごせる空間に 「びっくりドンキー フォレオ大阪ドームシティ店」(大阪・西区九条南)

2016年1月26日

「びっくりドンキー フォレオ大阪ドームシティ店」は、看板メニューのハンバーグを軸に、ファミリー客をはじめビジネスパーソン、年配客など幅広いお客の心を掴んでいる。高さが3.8mもある天井と101坪・120席の広い空間を生かした心地よい分煙環境が、喫煙者・非喫煙者の双方から好評を得ている。後編では、同店のエリア分煙におけるオペレーションやサービスの工夫について紹介しよう。

 ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」を、現在直営店、フランチャイズ店を合わせて北海道から沖縄まで336店(2015年11月現在)展開するアレフ(本社:北海道札幌市)。

 同社では、社内に「VOC(お客様の声)マネジメントプロジェクト」を設置し、分煙環境措置を含む様々な課題に対して常にお客の意見や要望をきめ細かくキャッチし、満足度の高い店作りを目指している。分煙環境措置に関しては、エリア分煙、全席禁煙で喫煙ブースを設置、全面禁煙(喫煙ブースなし)といったパターンを作り、直営店で試験的に導入後、利用客の反応を確かめたうえでフランチャイズ店にノウハウを伝える流れとしている。

 大阪市西区の「京セラドーム大阪」に隣接するショッピングモール内にある「びっくりドンキー フォレオ大阪ドームシティ店」は、同業態を大阪府内、兵庫・尼崎市にフランチャイズ展開するワイ・テイ・ワイ産業が運営する。同店では、地域性や客層などを考慮してエリア分煙を採用し、喫煙者・非喫煙者の双方から高評価を得ており、地元で多くのリピーターを獲得している。

テーマパークのような店舗外観と入口

テーマパークのような店舗外観と入口

「びっくりドンキー フォレオ大阪ドームシティ店」店内のエリア配置

「びっくりドンキー フォレオ大阪ドームシティ店」店内のエリア配置

店舗概要
●店舗面積/101坪
●席数/120席(喫煙席44席、禁煙席76席)

 店内は空間をゆったりと取ることにより、くつろげる雰囲気を醸し出している。エントランスに入ると、正面のレジを挟んで右側のエリアが喫煙エリア、左側が非喫煙エリアとなっており、喫煙・非喫煙エリアの間に距離があり空間が完全に分かれていること、天井が高く換気システムとの相乗効果で空気が滞留しにくいことなどが、快適な分煙空間を生み出すポイントとなっている。

 また、「びっくりドンキー」は、テーマパークのような楽しく変化に富んだ空間が魅力のひとつ。そこで、同店でもその雰囲気を壊さないよう、間仕切りや壁を設けず、フロアスタッフがきめ細かく接客していることも、幅広いお客に支持される理由だ。

「来店されたお客様には、まず喫煙・禁煙のご希望をしっかりとお伺いしてからお席へご案内するよう徹底しています。喫煙席は席数が少ないため、満席の場合はお待ちいただくことも多いのですが、『待ってでも入りたい』というお客様がほとんどです」と話すのは、店長の三木敬太氏。

店長の三木敬太氏(右端)とフロアスタッフ

店長の三木敬太氏(右端)とフロアスタッフ

 全面禁煙や喫煙ブース設置という飲食店も少なくないなかで、“客席に座ってくつろぎながらゆっくりと喫煙できる”同店のスタイルは、喫煙者にとっては大きな付加価値であり、店選びの際の基準になっていることは間違いない。

 現在、同店のフロアスタッフは、ピーク時で5〜6人、アイドルタイムは2人、ナイトタイムは3人という形が基本シフト。広い店は死角が多くなり、フロアスタッフの目が行き届かなくなるケースもあるが、同店ではスタッフに「止まらず、常に店内を巡回すること」、「お客様の様子を常に観察すること」を徹底しており、それがきめ細かいサービスに直結している。

「個室感覚のテーブル席が多いため、とにかく個々のテーブルに気を配り、できるだけ早い“気づき”ができるようにしています。たとえば喫煙エリアでは、灰皿交換のタイミングは吸い殻3本〜5本が目安。もちろん、お客様の人数や吸われるスピードなどによっても状況は変わりますので、マニュアルではなく現場の個々のスタッフが逐一、気を配ることで心地よく過ごしていただけるよう、心がけています」(三木店長)。空間だけでなく、「お客がしてほしいこと」をスタッフ一人ひとりが考えて行うサービスが、喫煙者・非喫煙者双方に心地よさを感じさせているといえるだろう。

 本部のアレフでは、店舗でのこういった需要も考えたうえで、今後の出店における分煙環境措置について考えていく予定だ。

 同社では、選択肢のひとつとして喫煙ブースの設置も実施してきたが、「閉塞感を感じさせるような喫煙ブースではなく、“客席のような心地よさを感じていただける”ブースの環境づくりが大きな課題だと考えています」と、アレフ広報室リーダーの松本総一郎氏。

 今後も、立地や客層などに合った形で分煙環境措置を考え、喫煙者と非喫煙者の双方が、ストレスなく飲食を楽しめる空間を目指しているという。

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