地域性、客層に合わせて快適な分煙環境を提供する「びっくりドンキー」【前編】

地域性、客層に合わせて快適な分煙環境を提供する「びっくりドンキー」【前編】

広い店舗空間を生かし、間仕切りを設けることなく快適なエリア分煙を実現し常連客を掴む 「びっくりドンキー フォレオ大阪ドームシティ店」(大阪・西区九条南)

2016年1月12日

大阪市西区の「京セラドーム大阪」に隣接するショッピングモール、「フォレオ大阪ドームシティ」内にある、ハンバーグレストラン「びっくりドンキー フォレオ大阪ドームシティ店」は、地域性や客層などを考えてエリア分煙を採用し、喫煙者・非喫煙者の双方から支持を受けている。今回は、同店をフランチャイズ運営するワイ・テイ・ワイ産業に、エリア分煙を採用した経緯、快適な分煙環境のつくり方などをお聞きした。

 ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」は、北海道札幌市に本社を構えるアレフが、レストラン事業のメイン業態として運営するファミリーレストランだ。現在、直営店、フランチャイズ店を合わせて、北海道から沖縄まで336店(2015年11月現在)を展開している。

 例えば省農薬米のように安心・安全な食材の利用や、最良の状態でお客に提供できるよう最適な配送方法によるコーヒー豆など、素材にこだわったメニューの数々に特徴がある。内装も特筆すべき点であり、テーマパークを思わせる変化に富んだ店内など、お客の満足感を追求した店作りが大きな魅力となり、家族連れからカップル、ビジネスパーソン、年配客など幅広いお客の心を掴んでいる。

「京セラドーム大阪」(大阪市西区)に隣接した商業ビルの一角にある「びっくりドンキー フォレオ大阪ドームシティ店」は、大阪府内と兵庫・尼崎市に同業態をフランチャイズ展開するワイ・テイ・ワイ産業が運営している。

 2011年6月にオープンした同店は、場所柄、野球などのスポーツ観戦、コンサートといったイベントに訪れるお客はもちろん、地元のファミリー客、ビジネスパーソン、主婦、年配のグループなど幅広い客層でにぎわう。101坪・120席のゆったりとした店内は、喫煙エリア44席・非喫煙エリア76席のエリア分煙となっている。

 エントランスに入ると、正面のレジを挟んで右側が喫煙エリア、左側が非喫煙エリアとなっている。両者の間には特に間仕切りや壁を設けているわけではないが、2つのエリア間に少し距離があり、喫煙エリアには能力の高い換気扇を3台設置していることに加え、空間や客席がゆったりとしており、3.8mという高い天井高でたばこの煙が客席に滞留しにくいことなどが、快適な分煙環境を提供するうえで大きなポイントとなっている。

店内の喫煙エリア。3.8mという高い天井に換気扇と空調機を設置(右下写真)

店内の喫煙エリア。3.8mという高い天井に換気扇と空調機を設置(右下写真)

 ワイ・テイ・ワイ産業では、もともと現在の大阪ドームの反対側のエリアに「びっくりドンキー」を構えていたが、新しいショッピングモールの開業に合わせて前店を閉店し、現在のモール内に新規オープンした経緯がある。

 前店は、喫煙希望のお客が圧倒的に多かったため、喫煙席・禁煙席の割合は8:2としていた。常連の喫煙客からは「びっくりドンキーは、安心してゆっくりとタバコが吸えるのがいい」と、高い評価を得ていたという。

 「周辺は男性のビジネス客が多く、『ランチやディナーの時には、ゆっくりタバコが吸いたい』という需要が高かったですね。新規オープンの際には、飲食店として受動喫煙防止対策も考えたうえで、どのような形で分煙環境措置をとるか悩ましいところではありましたが、私たちにとっては、吸う方も吸わない方も大切なお客様です。『席に座って落ち着いてタバコを吸っていただける環境』を気に入って当店を選んでくださる方のお気持ちも大切にしたかったため、エリア分煙を選択しました」。そう話すのは、営業本部部長の中村力生氏だ。

営業本部部長の中村力生氏。テーマパークを思わせる変化に富んだ店内

営業本部部長の中村力生氏。テーマパークを思わせる変化に富んだ店内

 広い空間を生かした閉塞感のないエリア分煙のスタイルは、本部であるアレフが直営店で実施し、データに基づき培ったものだ。
「当社では、VOC(お客様の声)マネジメントプロジェクトを設置しており、お客様からのご要望やご意見をお聞きしつつ、より喜んでいただける店づくりを目指しています。そんな中でも、最近ご質問が多いのが分煙環境措置に関すること。すべての店舗を全面禁煙にするのは簡単ですが、それでは既存のお客様を失ってしまうリスクも高い。立地や客層などに合った形で、すべてのお客様に納得していただける手法を日々模索中です」。そう話すのは、アレフ広報室リーダーの松本総一郎氏。

 同社では、エリア分煙、全席禁煙で喫煙ブースを設置、全席禁煙(喫煙ブースなし)といったパターンで、空間の使い方も含め直営店で試験的に導入し、利用客の反応などを確かめたうえでフランチャイズ店にノウハウを伝えている。
 フォレオ大阪ドームシティ店のエリア分煙のスタイルも、そこから生まれたものだ。

「おいしい食事を提供するだけでなく、来店した方が心からくつろげる空間を提供することが当社が大切にする基本です。テーマパークのようなインテリアや、ゆったりと座れる広い客席、開放感のある高い天井なども“くつろぎ感”の一環。分煙や喫煙ブースに関しても、閉塞感や居心地の悪さを感じないような造りを目指しています」(アレフの松本氏)。

 幅広い客層が訪れる同店だが、喫煙者・非喫煙者が上手に共存できる心地よさが、空間の付加価値を高めていると言えるだろう。
 後編では、エリア分煙でのオペレーションやサービスに関する、同店のきめ細かい気配りに関して紹介する。

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