バーガーキング・ジャパンが挑戦し続ける「独自の価値を提供するための分煙」【前編】

バーガーキング・ジャパンが挑戦し続ける「独自の価値を提供するための分煙」【前編】

“喫煙席率20%”を目指し、すべてのお客様が心地よい分煙空間を提供する

2016年3月8日

マイアミに本拠地をおき、世界各国に店舗を展開するハンバーガーチェーン「バーガーキング®」。日本では、2007年に再進出1号店をオープンして以来、“大人のハンバーガー店”として高い支持を受けている。ファストフードチェーンの中には、全席禁煙や全席禁煙+喫煙ブース設置といったスタイルをとっているところもあるが、同店は分煙のスタイルを貫き続けるのが特徴。同店を運営するバーガーキング・ジャパンで、COO(最高執行責任者)と店舗開発本部長、FC事業本部長を兼任する神元誠司氏に、分煙の考え方と取り組みをお伺いした。

 米国・マイアミを本拠地として、欧米を中心とした世界各国に約1万4000店もの店舗を展開する「バーガーキング®」。日本においては、バーガーキング・ジャパンの運営のもと、各地に98店舗(2月末現在)を展開しており、今春には100店舗目を出店する予定だ。

 バーガーキング・ジャパンでは、直火で香ばしくジューシーに焼き上げるビーフパティを使った、ボリューム感満点の看板メニュー「ワッパー®」を中心に、朝食メニュー、キッズメニュー、スイーツなど幅広いメニューを提供。ドリンクメニューに、ビール(ハイネケン)が用意されていることも特徴だ。また、お客の好みに合わせてハンバーガーをカスタマイズできることが、一般的なハンバーガーチェーンとは一線を画すサービスとして喜ばれている。

 また、ファストフードチェーンの中には、全席禁煙や全席禁煙+喫煙ブース設置といったスタイルをとっているところもあるが、同店は1号店のオープン以来、店内に喫煙エリアを設置した仕切り分煙のスタイルをとっていることも特徴的だ。

 バーガーキング・ジャパンのCOOで、店舗開発本部長、FC事業本部長を兼任する神元誠司氏は、分煙を選んだ理由についてこう話す。

「まず第一に、我々にとってはタバコを吸う方も吸わない方も大切なお客様であり、可能な限り、すべてのお客様に安心してお食事を楽しんでいただけるような店づくりをする、というベーシックな考え方があります。
『バーガーキング®』の場合は、客層が20代後半から40代のお客様が多く、ビールを販売していることもあり“大人のハンバーガー店”というイメージが定着しています。実際に、他のファストフードやファミリーレストランなどと比べると、喫煙ニーズが高いことを考えて、飲食を楽しみながら喫煙が出来るように、喫煙エリアと非喫煙エリアを設けるという分煙のスタイルをとらせていただいています」。

バーガーキング®の店内喫煙エリア

バーガーキング®の店内喫煙エリア

 同社が店舗を出店するうえで、目安としている喫煙席の比率は約20%だ。これは、現在の日本の喫煙率とほぼ同様の数字。そこにも、「すべてのお客様に安心してお食事を楽しんでいただきたい」という同社の思いが表れている。
 ビジネス立地や住宅街立地、客層などによる比率の変化、また商業施設のルールや店舗の面積などの関係で目安の喫煙席数をどうしても確保できないケースもあるが、ほとんどの店舗ではこの比率で喫煙席が用意されている。

 東京メトロ・都営地下鉄六本木駅と直結するビル内にある「バーガーキング®六本木店」は、全219席のうち禁煙席181席、喫煙席38席が設けられている。
 アクセスが良く、近隣にオフィスが多い場所柄、朝の出勤前や昼食後、帰宅前などの時間帯は、特にビジネスパーソンの喫煙ニーズが高く、喫煙エリアが満席になることもしばしばだという。

「喫煙者が非喫煙者に気づかいながらタバコを吸うことは、マナーとしては必要だと思います。私も喫煙者ですので、その点には気を配っています。ただ、双方が快適に同じ空間を共有するには、飲食店としてはブースなどの“吸える場所”だけを提供すればいいわけではなく、“安心してゆっくり吸える場所”をご用意することが大切だと考えています」と神元氏。

 例えば、2月にオープンした「バーガーキング® 霞が関ビル店」は、レストランフロアのような広い空間の中に複数の店舗と一緒に入店している。

 基本的には、共有部分は禁煙。時間帯分煙として昼食時に禁煙としている店舗が多いため、喫煙する場合はビルの喫煙ルームを利用する人が多いが、同店は固有の10席分を喫煙エリアとして確保している。「たった10席」でも、それは“バーガーキングのお客様のための喫煙エリア”であり、落ち着いて快適にタバコが吸える空間となっている。

 また、同社ではこういった店舗のコンセプトをお客様に理解してもらう意味も込め、全店で喫煙環境の店頭表示を徹底させている。
「お客様の目にとまる場所に、客席●席・喫煙●席※1と表示しています。最近は、非喫煙者の方が“タバコが吸える店かどうか事前に知っておきたい”とおっしゃるケースも増えています。そのため店頭表示は、喫煙者の方へ“吸える席がありますよ”というご案内だけでなく、非喫煙者のお客様には“タバコが吸える席がありますが、きちんと分煙していますのでご安心ください”という、店舗からのメッセージとして大切な役割があると考えています」(神元氏)。
※1 下の写真参照

バーガーキング®では、全店で店頭に喫煙環境を表示

バーガーキング®では、全店で店頭に喫煙環境を表示

 すべてのお客様に安心してお食事を楽しんでいただくために生まれた、「バーガーキング®」の分煙スタイル。後編では、六本木店を例にとって快適な分煙環境のつくり方やオペレーションの工夫などをご紹介していく。

神元 誠司(かみもと・せいじ)
株式会社 バーガーキング・ジャパン
COO 兼 店舗開発本部長 兼 FC事業本部長

1962年9月6日京都府生まれ。奈良県立短期大学商学部卒業後、日本マクドナルド株式会社入社。 ビジネスコンサルタント、オペレーションコンサルタントを務め、経験を積む。同社を退社後、株式会社ラウンドワンにて執行役員経営企画室長、執行役員経営推進室長、株式会社ロッテリアにて執行役員営業部長兼トレーニング部長を務めた後、2010年6月、株式会社バーガーキング・ジャパン入社。現在に至る。

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