官民一体で「店頭表示」を推進する京都市がさらなる展開に向けて動きだす

官民一体で「店頭表示」を推進する京都市がさらなる展開に向けて動きだす

店頭表示ステッカーは、京都らしい“おもてなしの心”を伝えるひとつの形

2015年12月22日

京都市では、飲食業や宿泊業等の事業者組合で構成される、京都府受動喫煙防止憲章事業者連絡協議会や京都府と連携のもと、店舗等の施設における喫煙環境の状況を示す「店頭表示ステッカー」を普及する取り組みを2013年から進めてきた。その取り組みが実を結び、店頭表示ステッカーの貼付が京都駅周辺賛同団体の管理店舗全店で完了。今後は、全市域を対象にステッカー表示を推進するため、京都市と協議会に加え、協力団体として日本たばこ産業が包括協定を締結した。

「官民一体」で喫煙環境の改善に取り組む動きは、各自治体で様々な展開を見せている。
 京都市では、2013年から京都府受動喫煙防止憲章事業者連絡協議会(以下、協議会)や京都府と連携して、飲食店や宿泊業等の施設において喫煙環境の状況を事前に、そして明確に伝える「店頭表示ステッカー」を普及させる取り組みを進めてきた。

 その結果、店頭表示ステッカーの貼付が、京都駅周辺の駅ビル、商業施設、百貨店など「店頭表示ステッカー 賛同団体」の管理店舗全店(125店舗)において100%達成したことを受け、2015年12月にこの取り組みの普及に貢献した賛同団体に対して、京都市長の門川大作氏から感謝状が贈呈された。

 この取り組みは、2012年に設立された協議会が京都府と京都市とともに議論を重ね発案されたもので、2013年5月31日にその主旨に賛同した京都府と京都市が加わった三者で「受動喫煙防止対策を推進するための連携に関する協定」を締結。行政のバックアップのもと、協議会に参画している各組合の加入店舗を対象に、受動喫煙防止対策を行うため、店内の喫煙環境を示す「店頭表示ステッカー」を普及する取り組みを積極的に進めてきた。
また、この活動をさらに拡大させるために、賛同団体を募集し、より多くの事業者が取り組みに参加した結果、現在もなお、活動の裾野は広がっている。

 ステッカーは、「完全分煙」、「空間分煙」、「喫煙可能」、「禁煙」などの種類があり、店頭の分かりやすい位置に貼ることでその店の喫煙環境を前もって明確に伝えることができる。飲食店や宿泊施設の利用客にとって、空間の心地良さは大きな満足度につながることは言うまでもない。そんな中で、喫煙環境について事前に知ることができるか否かでは、入店してからの満足度や店舗に対するイメージも左右することになる。また、多言語表示された本ステッカーを表示することで、外国人客とのトラブルが減少し、従業員にとってもオペレーションが楽になるというメリットが期待できそうだ。

 京都は、日本を代表する観光地でもあり、常に国内外から多くのお客が訪れる。
「そんな中で、喫煙環境をきちんと事前にお知らせすることも、京都らしい心のこもった“おもてなし”のひとつと考えました。多くの賛同を得て取り組みが推進できたのは、事業者と行政が同じベクトルで活動できたからだと思います」。京都市保健福祉局の担当者はこう語る。

 今回の、京都駅周辺賛同団体の管理店舗での“店頭表示ステッカー100%達成”は、地元の利用客はもちろん、国内外からの観光客など店舗を利用するすべての人に入店前に喫煙環境を知らせることで、誰もが安心して心地良く施設を利用できる環境づくりをしたい、という官民一体となった思いに後押しされた結果なのだ。

 実際に店頭表示ステッカーを採用した店舗からは、「お店選びの基準になり、集客につながった」、「お客様から喜ばれた」という声も多いという。

 また、今後は京都市における喫煙環境の改善をさらに推進するため、全市域を対象としたステッカー表示の普及を推進する取り組みを、2016年1月から1年かけて行っていくことが決定した。
「店頭ステッカー全市表示大作戦」と名付けたさらなる展開においては、京都市、協議会による協定と、取り組み推進のために日本たばこ産業を協力団体と位置づけ、包括協定を締結した。

京都市と京都府受動喫煙防止憲章事業者連絡協議会による全市でステッカー表示の普及を推進する協定と、取り組みを推進するための協力団体として日本たばこ産業(JT)を位置づける,包括協定が締結。写真右から、市長の門川大作氏、協議会会長の北原茂樹氏、JT北関西支社長の中村健一氏

京都市と京都府受動喫煙防止憲章事業者連絡協議会による全市でステッカー表示の普及を推進する協定と、取り組みを推進するための協力団体として日本たばこ産業(JT)を位置づける,包括協定が締結。写真右から、市長の門川大作氏、協議会会長の北原茂樹氏、JT北関西支社長の中村健一氏

 協議会に加盟する飲食店、宿泊施設などはおよそ4100店舗。そのうち、ステッカーの店頭表示を行っているのは現在約1200店舗だという。将来的には、加盟全店舗にこの取り組みを広げていくことはもちろん、加盟店以外の施設においても「店頭表示ステッカー」の普及を推進していく予定だ。

 2020年を間近に控え、“おもてなしの都市・京都”の心地良さを高めるための施策として、「店頭表示ステッカー」は浸透していきそうだ。

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