大手外食チェーンにおけるウェブ上での喫煙ルール表示は半数以上に【後編】

大手外食チェーンにおけるウェブ上での喫煙ルール表示は半数以上に【後編】

手軽に喫煙環境を知ることができるウェブ上の情報は有効

2015年1月27日

前編で紹介したように、2014年12月に行った調査では、大手飲食企業50社のうち、ウェブサイト上で店舗の喫煙状況を表示しているのは5割強という結果になった。前回(2013年2月実施)の同様の調査では「表示なし」だったが、新たに表示を行うようになった企業も徐々に増えている。今回は、新たに喫煙ルールの表示を行うようになった企業に、その経緯や理由などをお聞きした。

 大手外食チェーンのウェブサイトにおける喫煙ルール表示についての調査結果を見ると、50社中27社が喫煙可、分煙、時間分煙、非喫煙といった表示を行っているという結果になった(2014年12月の時点)。ウェブ上での“表示”を有効と考える傾向は、飲食店でも徐々に浸透してきているといえるだろう。そこで、今回の調査でウェブ上の喫煙環境が「表示なし」から「表示あり」に変化した企業に、その経緯や意図を聞いてみた。

 パスタ専門店「洋麺屋五右衛門」や、ハンドドリップコーヒーとスフレパンケーキが看板の「星乃珈琲店」、オムライス専門店「卵と私」など多彩な業態を展開している日本レストランシステムでは、2014年から「星乃珈琲店」のサイトで喫煙環境の表示を行っている。

 幅広い業態を展開する中で、「星乃珈琲店」のみで表示を開始した理由について、同社戦略本部では「星乃珈琲店は、弊社が展開しているブランドの中でも客層が特に広いことが表示を開始した大きな理由」と話す。同店の客層は、家族連れや女性同士のグループなどでの利用から商談まで幅広い。店頭では、喫煙・禁煙のそれぞれの席数、または喫煙ルールを記載した表示を行っているが、「テラス席のみ喫煙可」など喫煙可能な席数が少ない店舗もあるため、「喫煙したい」というお客が来店した際には要望に応えられないこともあったという。

 「こういった現状を考慮し、事前にお客様が手軽に喫煙環境を把握していただけるようウェブ上での情報公開を始めました」(同社戦略本部)。「星乃珈琲店」の公式サイトを見ると、店舗情報一覧の部分で「終日分煙」、「テラス席のみ喫煙可」といった喫煙情報が分かるようになっている。個々の店舗ページを開かなくても全店舗の情報が分かるため、同じ地域でも喫煙環境の異なる店舗があった場合に店舗選びの指針として有効だ。

星乃珈琲店の店舗情報のページ。※店舗によって、喫煙状況が変更になる可能性がある。

星乃珈琲店の店舗情報のページ。※店舗によって、喫煙状況が変更になる可能性がある。

 また、同社ではお客様相談室などに「客席での喫煙は可能か」といった質問や、タバコのにおいを気にするお客からの喫煙環境の問い合わせなどが寄せられることも多い。「お客様の反応からも、飲食店のサービスの一環として喫煙ルールを正確な情報として表示することは大切だと考えている」と、同社の担当者は話す。ウェブ上での喫煙環境の表示に関しては、今後もお客のニーズを取り入れつつ、柔軟に対応していきたいという。

 様々な業態を展開する外食チェーンの場合、ブランドごとにスタイルが異なり、店舗の規模や立地、客層、時間帯などによって喫煙環境が細分化される。そのため、ウェブ上での表示も「各業態の判断にまかせる」というケースが多いようだ。しゃぶしゃぶの「木曽路」をはじめ、居酒屋「素材屋」、和食レストラン「鈴のれん」などを展開する木曽路もそのケース。愛知県、大阪府に9店舗(2014年12月現在)を構える「鈴のれん」のみで、ウェブサイト上で喫煙環境の情報(ランチタイムは全席禁煙、ディナーは喫煙席ありなど)を表示している。

モンテローザのスマートフォン向けの店舗情報サイト。喫煙環境に関して検索できる。

モンテローザのスマートフォン向けの店舗情報サイト。喫煙環境に関して検索できる。

 また今回の調査では対象としていないものの、スマートフォン向けに用意したサイトでも、喫煙環境の情報を知らせる企業は少なくない。出先でも持ち歩くスマートフォンを使って、すぐさま現在位置から近い店舗を見つけると同時に、喫煙環境についても把握できるのは、喫煙者と非喫煙者の双方にとって有益だ。

 スマートフォンの普及で、最近では食事や宴会などの店探しから予約までをワンストップで行うことが、ますます一般化しつつある。自社のウェブサイトはもちろん、店舗の様々な情報と共に喫煙環境の情報提供の場を広げていくことは、お客の目により留まりやすくなり、店選びのポイントとしても効果的といえるだろう。

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