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クレーム担当者の奮闘日記

異物混入対策のイロハ

料理に髪の毛、虫が入った!?

2008年3月6日

文=水野 孝彦(日経レストラン)
イラスト=蛭子 能収

このコラムでは、架空の外食企業のクレーム対応担当者の日常を通して、最善のクレーム対応を考えていきます。

○月×日 夕方
まずはレシート確認

「料理をテイクアウトしたら、中に髪の毛が入っていた。カネを返してほしい」──。

昨日の夜、新人店長のA君のところに、ある男性からクレームの電話がかかってきた。この男性。返金を要求しながら、購入した商品は気分が悪いので捨ててしまい、レシートも持っていないという。購入した商品の内容や購入時間帯を尋ねても、あいまいな答えしか返ってこなかった。

テイクアウトの商品で異物が混入したというクレームが生じた時の基本は、レシートを持っているかを確認すること。持っていない場合には、お客の話とレジの販売記録を照合する。

また、テイクアウトに限らず、異物混入のクレームがあった時は、その料理と異物を回収することが大原則だ。

あるチェーンでは、プラスチック片が料理に入っているとクレームを受けたが、回収して調べてみると玉ネギの皮だと分かったことがあったという。また、目玉焼きの縁に偶然できた透明な膜をビニールと勘違いする場合もある。

店側のミスか、お客様の勘違いか、あるいは言いがかりなのか。商品を回収し、確認しなければ真相は究明できない。報告を受けた私はA君に、その男性が商品を購入したと主張する時間に、該当しそうな販売実績があるかどうかを調べ、男性には翌日店側から連絡すると伝えるよう指示した。販売記録を確認したところ、先ほどの男性と一致するお客は見当たらない。

「販売実績も確認できず、商品の回収も無理。この男性が商品を購入したというのはデタラメだな」。そう判断した私はA君に、「謝罪に行ったり、返金に応じる必要はない」と指示した。そして今日。A君がその男性客に店側の方針を伝えると、相手は「覚えてろよ」と捨て台詞を残して電話を切った。

「料理に異物が入ったというクレームは多いんだ。良い経験になったと思うよ」。元気がないA君を私は励ました。「そ、そうなんですか!」と不安そうなA君。異物混入はどんなに注意しても、ゼロにはできないトラブルだ。私はA君たち新人店長の研修で、その対処法を説明すると約束した。

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