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クレーム担当者の奮闘日記

クレーマーから店を守る方法

備えあれば憂いなし!?

2008年3月27日

文=水野 孝彦(日経レストラン)
イラスト=蛭子 能収

このコラムでは、架空の外食企業のクレーム対応担当者の日常を通して、最善のクレーム対応を考えていきます。

○月×日 午後
飲食代金棒引きの手口

「うちの子供が、店のサンダルをはいていてケガをした。お詫びとして食事代をタダにしろ」──。

先日、ある焼き肉店で子供を連れた20代男女のグループ客の一人が、店長を執拗(しつよう)に怒鳴りつけ、飲食代金をタダにしてしまうというトラブルが発生した。このグループ客は、店のスタッフが路上で割引券を手渡して呼び込んだのだが、入店直後から「もっと料金を安くしろ」と、何回も言ってきた。さらに、周囲の迷惑も顧みずに大声で騒ぎ、マナーも最悪だったという。

ここまでなら迷惑な客ということで終わるのだが、妙な展開になってきたのは食事が終了したあたりからだ。

グループ客は「炭火から出る煙が目に染みる」と言い出した。なぜ今頃言い出すのだろう? 店側はその真意を図りかねた。

すると、今度は冒頭のように「子供がケガをした」と言い出したのだ。グループ客の言い分では、子供がトイレに行くために座敷から出て、店が用意している木製のサンダルを履いたところ、クギが出ていて足を切ったというのだが……。

店長が確認すると、確かに子供の足には引っ掻き傷があった。ただ、ほかのサンダルは問題ないのに一足だけクギがむき出しになるほど傷むのは不自然だ。さらに店長が病院に行くことを勧めると、「後で行くから、食事代金をタダにしろ」と、まるで子供の心配をしない。あまり考えたくないが、親が子供にわざとケガをさせた可能性もあるように思われた。

それでもサンダルが壊れたことについて店側に非がないとは証明できない。その上、このグループ客の「食事代金をタダにしろ」という要求は、店長やスタッフが身に危険を感じるほど激しいものだったため、最終的に食事代金を無料にすることに店長は応じざるを得なかったという。ひどい話だ。

このチェーン店のお客様相談窓口担当者Aさんとは、来週勉強会で会う予定だ。厄介な客にはどう対応すべきなのか。お互いに知恵を出し合ってみるつもりだ。

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