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クレーム担当者の奮闘日記

「異物混入」後の対応はココに注意!

最悪の事態を想定して動け!

2008年4月24日

文=水野 孝彦(日経レストラン)
イラスト=蛭子 能収

このコラムでは、架空の外食企業のクレーム対応担当者の日常を通して、最善のクレーム対応を考えていきます。

○月×日 午後
料理に金属片混入

「料理に変なものが入っているんですけど」──。当社のある店で料理に異物が混入するトラブルが発生した。お客様から指摘を受けて店長が調べてみると、それは長さ1cm程度の細長い金属片だった。その状態から考えて、店側に非があるのは間違いない。

店長のA君は、このお客様に謝罪して料理代金を返金。「金属片が料理に混入した経緯を調べ、報告します」と説明し、さらに「念のため病院へ行っていただけますか」とお願いした。しかし、お客様は「今は忙しい……」と病院に行くのを拒んだ。お客様がそう言うなら仕方がないと、ここで引き下がったのが悪かったのかもしれない。

お客様が心変わりをしたのは、翌日のことだ。「やはり体が心配。病院で診てもらいたい」とお客様からA君に電話が入った。この時点でお客様の体調に異変は生じていないが、事が事だけに病院で診察を受けて、体調に異変がないことを確認することは、我々にとっても望ましい。

だが、初めて病院で診察を受けたのは、“事件”から数日も経ってからになってしまった。これでは時間が経ち過ぎで、診察に意味はほとんどない。診察の結果、体調に異常はなかったし、金属片も体内から見つからなかった。だが、「体調に変化が現れないか、もう少し様子を見たい」と、お客様は不安をなかなか払拭できなかった。結局、お客様は何回にもわたって診察を受けることになった。

私たちはお客様を安心させるため金属片が混入した原因究明にも努めた。料理に使用した食材の輸入先まで、金属片を送り、現地スタッフに徹底的に原因を調査させた。しかし、残念ながら原因は特定できなかった。だが、その報告をすると、お客様は「そこまでしてくれたなら」と言って当社の対応に納得してくださった。クレーム発生から解決まで数カ月を要したが、これで一件落着だ。

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どうしてくれる!? 店長1万人のクレーム対応術

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