食物アレルギーを甘く見るな!

有症苦情の中で最もヤバイ!?

2008年5月8日

文=水野 孝彦(日経レストラン)
イラスト=蛭子 能収

このコラムでは、架空の外食企業のクレーム対応担当者の日常を通して、最善のクレーム対応を考えていきます。

○月×日 午後
増え続ける食物アレルギー

「ちょっと、しっかりしてよね!」──。ある店舗で、お客様がプリンを見せながら、スタッフを叱り付けた。

このお客様が注文したのは、お子様に食べさせるための子供向けドリアのセットだった。

「子供が卵アレルギーなので、卵を使っていないか確認してほしい」。お客様の要望を受けてスタッフは、ドリアに卵が使われていないことは確認したのだが、セットにはプリンも付いていた。それを確認し忘れてしまったのだ。最近は、アレルギー対策もあって、卵を使わないプリンもあるそうだが、当店のプリンは卵を使っている。

お客様が気付いてくれたから、事なきを得たが、お客様が怒るのも無理はなかった。実際、アレルギー物質をお客様が食べてしまい、トラブルになるケースの大部分は、こうしたチェックミスによるものだ。

現在、食物アレルギーに悩む人の割合は乳児で10%、3歳児が4~5%、学童期が2~3%、成人が1~2%といわれている(日本アレルギー協会の「食物アレルギーを知っておいしく食べよう」より引用)。アレルギーを引き起こす食材としては「卵」や「乳(牛乳)」「小麦」「そば」「落花生」などがよく知られているが、実は、驚くほど多くの食材が、アレルギーの原因になる可能性があるという。

実際、ある店では、キュウリのピクルスがアレルギー物質とおっしゃるお客様がいて、サンドイッチから取り除こうとして手がかぶれたというケースもあった(お客様の自己申告なので、ピクルスの何が、アレルギー物質だったのかは不明)。

食物アレルギーの症状としては、発疹やかゆみ、腹痛や下痢などが挙げられるが、呼吸困難などのアナフィラキシー・ショックが生じると最悪の場合、死に至る可能性もある。その意味では、食物アレルギーは食中毒と並ぶ、最も危険な有症苦情といえるだろう。

私は改めて情報を集めてみることにした。

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