
○月△日 昼
商品戦略さえ左右する時代に
今日は外食チェーンのお客様窓口担当者たちが集まる勉強会の日だ。私は早速、食物アレルギーへの対策を聞いてみた。
飲食店に法的な義務はないのだが、大手チェーンの多くは、各メニューについて、主要25品目(今月のポイント参照)のアレルギー物質が分かる一覧表を作り、店舗に設置したり、自社のホームページ上で公開している。
やや違うのは、その使い方だ。お客様から使用食材を聞かれた場合、スタッフが確認するチェーンと、一覧表をお客様に手渡し、自分で確認してもらうチェーンがあった。後者の方法を採用しているあるチェーンは、外国人スタッフによる聞き間違いを心配しているとのことだった。
アレルギーに対するお客様の関心にも、扱う料理や客層などによって濃淡がある。20代、30代の男性客が多いあるチェーンでは、食物アレルギー関連の問い合わせは、月に1、2件しか入らない。一方で、ファミリー客が多いあるチェーンでは、新商品の問い合わせのほとんどが、カロリーと食物アレルギーについてだった。
食物アレルギーのリスクは、経営判断にも影響を与えるようになっている。あるチェーンでは、そば粉を使った新商品の投入を断念した。調理の過程で、ごく微量でもそば粉がほかの料理に混入すれば、そばアレルギーのお客様に迷惑をかけると考えたためだ。
調理や提供の過程、工場の製造ラインなどで、意図せず微量のアレルギー物質が入ってしまうことを、「コンタミネーション」という。各社で表現方法こそ違うが開示するケースも増えてきた。例えば「同じ調理器具を使っています」「同じ油で揚げています」といったことだ。食物アレルギーには個人差があるため、こうした情報をもとに専門医と相談すれば、安心して外食ができる人も多いはずだからだ。
ちなみに、お客様が店側に使用食材について確認せずに食事をして、その結果、アレルギー反応が出たとしても、店側に非がないのは当然のことだ。ただし、取り除くように頼まれ、それを了承したはずの食材がそのまま入っていたために、食物アレルギーを発症してしまった場合には、店側に相応の責任がある。リスク回避の意味でも、従業員には食物アレルギーの怖さを周知すべきだろう。
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