
○月△日 午後
用意周到な詐欺師たち
以前にも注意を促した(飲食店を狙う詐欺の手口(後編) 参照)が、このケースとよく似た詐欺事件は未遂も含め、大手外食チェーンでかなりの数が発生し続けている。
店長の不在時を狙い、「清掃代金」「害虫駆除代金」「家賃」などの支払いが滞っているので、店にある現金ですぐ支払ってほしい、といって本社や本部の人間を名乗る男から電話が入る。現金の受け渡しは店の近くで行われ、業者を装った男が現金を受け取りにやってくるというのが一連のパターンだ。店長のミスでトラブルが生じて困っている、と留守を預かる従業員を驚かせ、解決には今すぐカネが必要と追い込んでいく。
こうした手口は、「振り込め詐欺」の飲食店版と言えるだろう。被害者には店長思いの真面目な従業員が多いのも特徴で、子を思う親の気持ちを踏みにじる「振り込め詐欺」と同様の卑劣さがある。
犯行はグループで行われ、目撃証言から30~50代の男性がメンバーにいると推定される。そして、本社の幹部や社員になりすまして、店に電話を掛けてくる男はなぜか、「本社のキムラ」「本部のキムラ」「経理のキムラ」など、「キムラ」と名乗るケースが目立つ。最近の傾向としては、金・土・日の売り上げを狙って、月曜日の午前中に電話を掛けてくることが多いので注意してほしい。
これまでの被害事例から、私たちは詐欺師が犯行を行う前には、下調べの電話を店に掛けてきている可能性が極めて高いことに気が付いた。
例えば「加藤店長いる?」などと電話を掛けてみて、「店長は田中ですけど?」などと従業員が答えれば、それで店長の名前が分かる。
ほかにも、チェーン特有の用語を聞き出せれば、本番で店の従業員をだますときに、その用語を会話にちりばめて話せるので、説得力が増すというわけだ。そのためか、1つのチェーンの特定地域の店を集中的に狙うケースが目立つ。
Next: 2つのルールで防御は簡単
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