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クレーム担当者の奮闘日記

“タダ飯”狙いへの対処法

不況下で増加する要注意クレーム

2009年6月11日

文=水野 孝彦(日経レストラン)
イラスト=蛭子 能収

このコラムでは、架空の外食企業のクレーム対応担当者の日常を通して、最善のクレーム対応を考えていきます。

○月×日 午後
小遣い銭稼ぎを狙うクレーマーたち

店にクレームを付けることで、飲食代金を払わないで済ませようというクレーマーが急増している。あわよくば飲食店から金品を巻き上げよう、という不心得者までいる。

ある外食チェーンのお客様窓口の担当者によればこうしたクレーマーは、「感覚的には以前の2倍くらいになっている」という。昨年の12月くらいからの現象で、理由として考えられるのが、現在の深刻な不況だ。

特に悪質で、外相研加盟のチェーンの間で話題になっているのが、ある家族連れのクレーマーのやり口。

ある店で、おとなしそうな店長を「態度が悪い」といった適当な理由で脅し、無料食事券を入手。次に、同じチェーンの別の店で、その無料食事券を使ってテイクアウトの商品を購入し、店長に領収書の発行を強要した。カネを払ってない相手に領収書を発行することはあり得ないことだが、このクレーマーは店内で大声で怒鳴りちらすことで、店内のお客に迷惑を掛けたくない店長に無理やり領収書を書かせた。

さらに後日、「店長の態度が悪かった」「テイクアウトの料理が冷めていた」と理由にならない理由で、その外食チェーンの本社に領収書に書かれた金額分の返金を求めてきたのだ。当然、返金に応じるはずもないが、このクレーマーについて外相研のネットワークで調べてみると、複数の偽名を使って、ほかの飲食店でも釣り銭を騙し取るなど様々なトラブルを起こしていることが分かった。

この事例は極端な話だが、小遣い稼ぎを狙ったクレーマーが増えているのは事実。“手口”として目立つのは「料理に異物が入っていたから、誠意を示せ」と無料食事券を要求したり、「席に座ったらブランド物の服が汚れたから弁償しろ」といった、異物混入や衣服汚損を口実にしたりするケースだ。

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どうしてくれる!? 店長1万人のクレーム対応術

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