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クレーム担当者の奮闘日記

ネズミが店内に乱入したら!?

飲食店の迷惑な同居人

2009年7月9日

文=水野 孝彦(日経レストラン)
イラスト=蛭子 能収

このコラムでは、架空の外食企業のクレーム対応担当者の日常を通して、最善のクレーム対応を考えていきます。

○月×日 午後
お客様の目の前をネズミが走ったら

古い建物にある店で営業時間中に天井が抜け、ネズミとネコが落ちてきて、厨房から客席まで店内を駆け回るというマンガのようなトラブルが起きた。

最終的には、ネコもネズミも店の外に出て行ったのだが、お客様は食事どころではない。お詫びして食事代金を返金のうえ、無料サービス券を配って、お帰りいただいた。その後、近隣の店から応援のスタッフを集め、保健所の指導で店内を消毒したため、半日間休業せざる得なかったという。

これは極端な例だが、「飲食店は、ネズミと共存している」といっても過言ではない。ある店で、「最近ゴキブリが減った」と喜んでいたら、ネズミが増えて、ゴキブリはそのエサになっていたという話もある。しかし、一般のお客様は、その事実を知らない。

店内でネズミが目の前を走っているのを見かけたお客様も、あまりにも驚きが大きいので見た瞬間にいきなり怒り出すことはあまりないそうだ。問題は、気持ちが落ち着いてきてからで、下記のような順番で店側の対応に疑問を持つ。

ネズミだ。ビックリした!

なぜネズミが出ないように対策を打たないんだ?

この料理、食べても大丈夫なのか?

ネズミが通った場所を消毒しないのか?

つまり、ネズミが食事中に目の前を通ったというトラブルが生じた場合、(1)現在、食べている料理、(2)店内の消毒、(3)再発防止策の3つについて、お客様は店に何らかのアクションを求めてくる可能性が高いわけだ。

そこで、こうしたトラブルが生じたとき、お客様が食事をやめて帰りたいと申し出た際には食事代金を返金する。また「ネズミのそばにあった料理なんて食べたくない」という申し出があれば、料理を作り直すというのが、外相研加盟チェーンの一般的な対応だ。作り直しの場合は料金は通常通り頂く。

なおネズミが店内に出たという理由で、お客様に“慰謝料”的な金品を払う必要はない。ただし、お詫びの気持ちを表す意味で、1品程度の無料サービス券を渡すくらいなら問題ないという意見が多い。

そして食事を続けていただく場合は、席を替わっていただき、ネズミが通った場所から遠ざけることも大切だ。これはお客様の気分を変えるという意味もあるが、お客様に離れてもらって、ネズミが通ったルートを消毒するためでもある。

お客様の中には、再発防止策について報告を求める人もいる。そうした場合には後日、善後策を報告するチェーンが多い。

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